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ピエロ

一週間前誕生日でその日にアップさせたかったんですが結局1から書き直ししました。

読み返すと大幅に脱線していたからです。

早目に続き書けるように頑張ります

 ライアン・リッチは生粋のプロレスファンだ。

 だからグレイが弟から椅子にジョブチェンジしても新しいエンターテインメントだと喜んだ。


 その結果自身のタイトルマッチの前哨戦は多いに盛り上がったがその中心は椅子グレイでありトビーと娘達だ。

 試合もコメディー要素が強く彼が求める内容と大きく違う。

 理想は真剣勝負セメントマッチだ。


 最後の前哨戦時オープンフィンガーグローブを装着しトビーの分も持ち込み総合格闘技ルールでの勝負を要求した。

 弟との違いを見せたかったしトビーの強さも技術力があるのも理解していたからお互いの実力を示せる。

 総合経験のある自分が有利と頭に過るが表情に出さす要求した。

 

「ライアンには唐突なタイトルマッチを受けてもらった借りがある。

そんなお前が総合ルールを要求するなら俺は受ける!

ZIPANGで総合なんて楽しすぎるだろ!」


 ちなみにZIPANGプロレスは積極的に異種格闘技をはじめて現在の総合格闘技に大きく影響を与えたと言われている。

 だから生粋のプロレスファンであるトビーは飛び付いた作戦通りだ。


 ZIPANGから

「ハワイアンプロレスから総合格闘技ルールでのタイトルマッチは認めますが選手の安全性を十二分に考えた上での試合をと求められた。

審判団で話し合った結果マスク着用のトビー選手の表情が分からず安全性を確保出来ない」

 と言われた。


 ファンもライアンも盛り上がっているのにZIPANGの言葉に馬鹿としか思えない。


「ハワイアンプロレスの気持ちは有り難いしマスクマンにマスクを外せとは言ってないだろ?

ZIPANGが福岡のタイトルマッチに影響があると考えたのか?

俺もライアン、そしてファンも楽しみにしているから

俺はそのまま戦うし万が一あっても責任を求めないと誓約書を書けと言うなら書くよ。

ZIPANGで総合ルールで戦うんだプロレスラーとして楽しむつもりだ

万が一にも俺に負けはないし2、3分で終わるから楽しむ暇もないかもね(笑)」


 トビーの言葉にライアンは怒る事も無く楽しそうに笑っていた。


 試合当日、ライアンのコスチュームはいつものロングタイツではなく総合にあったモノ。

 一方トビーはいつもの衣装だ。

 プロレスラーとして戦う気持ちに偽りはないようだ。


 両者の紹介が終わり観客へルール説明。

 それが終わると両者は額を合わせて睨み合う。

 気合十分のライアンに対してトビーはリラックスした雰囲気……というより気が抜けすぎに見えた。


 そしてゴングが鳴るとライアンから握手を求めトビーが応じる。

 その瞬間ライアンが崩れるように膝を付きすかさずトビーはドロップキックを顔面に炸裂。

 この技はアクション俳優の坂道拓矢氏の得意技『握手で首折』だと思われる。

 コーナーポストまで飛ばされたライアンは身構えるがトビーは自身の頭突っつきここが違うとアピールしていた。

 トビーは発言通りプロレスラーとして総合ルールで戦うつもりのようだった。


 ライアンはファイティングポーズを取りながら徐々に距離を詰め間合いを詰めていく。

 トビーは顔をガードしてタイミングを伺う。

 そしてライアンの間合いになるとパンチや蹴りで攻撃。

 それを危なげなく捌くトビー。


 数十秒の攻撃後一旦距離を置くライアン。

 それを煽るトビー。


 再び距離を詰めライアンの攻撃が始まると思われた瞬間トビーは自らのマスクを脱いだ。

 現れた顔はピエロのメイクをしたトビー


 驚き隙だらけになった瞬間一気に接近し飛びつき十字固めを仕掛け一気に試合を決めてしまった。


 試合後マイクを受け取ると


「皆さん、お疲れ様です!

本日初防衛に成功したハワイアンヘビー級王者のトビーです!

彼とは一度戦いその実力は十分理解してました、

色々調べて総合の実力もあるしマトモに戦っては圧倒的に不利と感じてました。

今回で俺の取った作戦は卑怯とか反則と言う人もいると思いますがこうでもしないとダメージ最小でZIPANGヘビー級王座へ行けないと判断しました。

ジ・エンド、お前のお仲間は倒した!

次はお前のベルトを奪うだけだ!!」


 セコンドに着いていた遠藤選手がリングに上がると一瞬睨み合うと直ぐ様リングを降りてバックステージに消えていく。


「トビーさん!

自分は比況とか反則とか文句はつけない!

あんたはプロレスラーとしてZIPANGのリングで最高の総合の試合をやって退けた!

素直にスゲーと思うし倒しがいがある!

福岡で最高の試合をしようぜ!」


 遠藤選手は観客から熱い遠藤コールを浴びながらリングを降りた。


 世紀の一戦は刻一刻と迫っていた。



 今回のトビーは『トビー・ザ・クラウン』と呼ばれ次に現れるのをファン達は楽しみにすることとなる。

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