ウサギと獅子②
遅れてスイマセンm(_ _)m
ライオンの提案は俺にとっても有り難い事だがそれだけでは俺は満足しない。
運も味方しビックチャンスを手に入れたんだからもっと大きなモノにしたい。
これは俺の名を不動にするチャンスでもあり会社を大きく潤す好機だ。
「ライオンさん、挑戦権を俺に譲って貰えませんか?」
「はぁ?何を言っている3WAYに加えるだけでもボーイにはチャンスじゃねぇか!
このスーパースター相手に欲張るんじゃね!」
「確かに欲張っています!オールドルーキーの俺が最大のチャンスを目前にしているんだから当たり前です!
今回の〚ゴールドどんたく〛福岡ドームとツアーのチケットの売上が芳しくないらしいじゃないですか?
俺がチャレンジャーになりツアーに参加出来ればチケットの売上が期待出来ます!」
「それはZIPANGのメリットでオレサマには何も無いな」
「これをライオンさんの発言としたらどうです?
ZIPANGに恩を売る事にも繋がりますし今の俺と組む事に大きなメリットになりませんか?」
「確かに……」
「ファン目線からしたらツアーで前哨戦が無いのは盛り上がりに欠けますし、その点俺なら補えます!」
「オレサマ的にオイシイが問題もある」
「問題?」
「スケジュール的にボーイのタッグパートナーは用意出来ないだろ?」
「遠藤の対戦カードはタッグ王座の『青木水軍』と組まれてますからタイキとリックさん、デストピアに交じれば良いかと」
「青木と同盟関係を利用するか……」
ライオンが米国でトップ争いをする『AOWにオールアウトレスリング)』で、この団体はZIPANGと業務提携契約を結んでいる。
青木選手は世界的な知名度もありライオンと同盟関係。
「スケジュールやホテル手配とか移動手段はどうするんだ?」
元々プロレスのツアーを経験するため『ゴールドどんたく』の全ツアー観戦予定だと説明。
「偶然にしては出来過ぎだな!」
「どうです?」
「確かにオモシロイ話ではあるがもっとメリットだな」
「俺が勝ったらライオンさんを挑戦者に指名しますよ!
負けたら恥かかしたなと襲ってもらえれば」
渾身のプレゼンに考え込む。
借りを返せと言うべきか?
それとも金?判断に困った。
「パパ、直接ZIPANGプロレスと交渉したら?
フランクコーチが今年の『SWW』の参戦交渉があったそうだからパパの要求すんなり通ると思うよ」
SWWはZIPANGプロレスの看板シリーズで真夏に20名で2ブロックに別れリーグ戦を行うもの。
世界一過酷なシリーズと言われ国内外のトップレスラーが一度は参加したいと言うビッグコンテンツだ。
「マジで?俺、一切聞いてないんだが……」
「コーチもニーナちゃんもパパを驚かすことに変に情熱を傾けているから(笑)」
「待て!その話が通ったらオレサマはどうなるんだ!?」
「スーパースターの高いギャラをそのまま渡してキャンセルするか適当な相手と福岡で試合組まれるんじゃない?」
「オレサマはスーパースターだぞ!ZIPANGはそんな要求は飲むまい!」
「俺が挑戦者になればチケットは完売必至!『ZIPANG WORLD』(オンデマンド&ライブ)の入会者が物凄い数になるのは確実でライオンさんのギャラ以上は採算とれるよね?」
「パパのお願いを聞いていたらアタシ達がオジサマの前座を引き受けていたのにね(笑)」
「本当に残念(TдT)交渉が通ればライオンさんと俺達互にWIN WINだったのに……
俺達だけWINだな(笑)」
「本当にそうだねwww」
「……わかった、ボーイの要求をすべて飲む。
その代わり『バニー✕ばにー』の前座とオレサマとのデュエットは約束してくれ」
俺は承知しライオンと握手すると彼は早速ZIPANGと交渉し話をキメてしまう。
最終的に上機嫌で帰るライオンを見送る。
「パパ、本当はコーチ断っていたんだけどね(笑)」
「はぁ!?」
「あーでも言わないと駄目だと思ったの(笑)」
ニコニコするアイを見ながら『アイ、恐ろしい娘』と思ったのだった。




