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浮かれる

 二人で出勤したが賢太郎達は特に言及しなかった。

 俺がレイトショー観て終電を逃しニーナと会社に来るのは珍しい事じゃなかったからだ。


 ニーナが皆に隠れてイチャイチャしたいと言うのでの恋人になった事は伝えない事になった。


 俺は昨日の引き続きでミコに出された宿題の動画撮影している。


 あっ呼び捨てにしてるのは彼女達に言われたから、父親の年齢に近い俺からさん付けされると落ち着かないらしい。


 本当はロケの予定だったのだがボーガン氏が来る予定なので社内で出来ることをしている。

 『フランクインパクト』のお陰で問い合わせと案件の依頼で賢太郎は忙しく、エンキミは編集作業とロケ予定地の許可を取ったりしている。


 今日も3人娘の内ミコとアイは字幕作業と翻訳を頑張っている。

 リンは食堂のキッチンで昼食を作ってくれている。

 ニーナはコラボ相手とのスケジュール調整やTシャツのデザインをしている。

 暇を見つけては俺のいる作業部屋にやってきては邪魔イチャイチャしていく。

 ボーガン氏は飛行機の中で寝ているのか連絡がつかない。

 本当に今日会社に来るのだろうか?


★☆★☆★


 おかしい……こんなにも幸せオーラを出してるのに誰も触れてくれない!

 鈍感そうな男2匹は兎も角、同性の3人娘も何も言ってこない。


 トビーには皆に伝えないと言ったけど気が付かれる分にはセーフだから幸せオーラを全開にしてるつもりなのに何故?

 こうなったら……


「お疲れ様!レイヤー兼デザイナーのニーナです!

今日なんですけど私スゴく機嫌が良いんですが誰も訪ねてくれないのでクイズ方式で皆に聞いていこうと思います!」


 唐突に撮影をはじめたので皆の視線が冷たいが私は気にしない。


「まずは編集マンの遠藤君はどうしてと思いますか?」


「ボクは顔出しNGなんだけど……」


「あとで自分でモザイクかけようね!」


「はぁ…便秘でも解消した?」


 無礼者にはチョップの洗礼じゃ!


「痛い、痛いって!前もニコニコしてた時聞いたら便秘解消したって言ってただろ?」


「動画でそんな答の訳ないでしょ!

次!電話の終わった副社長君は何だと思う?」


「多分正解するけど答えていいの?」


 そう言いながらチラッと2階の作業部屋に視線を向ける。


「そういう事なら副社長は最後にしてミコちゃんはわかるかな?」


「えっ私ですか?そうですねダイエットに成功したとか?」


「ブッブー不正解!私っていくら食べても太らない体質なんでダイエットとは無縁なのよ」


 一瞬3人娘の視線に憎しみを感じたが気にしない。


「アイちゃんはどう思う?」


「食べても太らない体質って幻想なので同性の前では言わない方が良いと思います」


「そっちじゃなくて!」


「ニーナさんが好きなアニメの二期シリーズが決定したからですか?」


「えっ、どのアニメ?」


「『転生者のララバイ』今朝ネットニュースになってましたよ!」


「マジで!?今朝は色々立て込んでいたからチェックしてなかった!

教えてくれてありがとう〜でも不正解!」


「リンちゃんはわかるかな?」


「楽勝です!リンは余裕で正解するのです!」

「では答えをどうぞ!」


「今日のランチはニーチャンのリクエストのホワイトシチューだからです!」


「確かに嬉しいけど、それで上機嫌になるって私は子供か!!」


「騒がしいけど何……って何で撮影してんだよ!

そういう時は知らせろよ!今素顔何だぞ!」


 騒がしいから様子を見に来た愛しい人は慌てて覆面マスクを取りに戻り再び現れた。


「で何の騒ぎ?」


「ニーチャンのスゴく機嫌良いのは何ででしょうクイズです。

ダッドはわかります?」


「俺と付き合いはじめた以外で?」


 サラッと正解を言ったトビーの脚にローキックを連発する。


「いきなり何!?痛いって!」


「何で空気読まず正解を言っちゃうのかな?」


「「「「「エエぇー!!」」」」」」

 驚く一同……って副社長も何で驚いてるの?

 一気に騒がしくなる事務所口々に色々口走ってるから収拾つかない。


 要約すると全員がトビーと私が交際してると思っていたようで付き合い始めたから上機嫌とは想像もできなかったそうだ。

 副社長は「てっきりプロポーズされたからだと……」って苦笑いしていた。

 私はトビーの頬にキスすると

「と言うことなので今後もスーパートビーちゃんねるをヨロシクお願いします!」

 と動画を〆た。メデタシ、メデタシ♪


「ヨロシクお願いしますじゃねぇよ!

お前が黙っていようと言ってて何この騒ぎ?」


「答え言ったのはトビーで私じゃないよ」


「俺が来なかったら正解を言うつもりだったんだろ?」


 トビーは私の首根っこ掴むと


「ちょっと話がある」


 とそのまま2階に連れて行こうとする。

 その時

「スイマセーン、ここトビーちゃんねるの会社デスか?

自分はフランク・ボーガンでーす」


 伝説のレスラーがやって来た!

 流石伝説ナイスタイミングだよ!

 グッジョブだよシナトラ(謎)!


「あとで話し合おうな」


 トビーは耳元でささやくと私を開放した。

 私はどうなるの?どうなっちゃうの?

 別れ話だけはイヤー!!!

お読み頂き感謝\(^o^)/

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