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Private Detective Satomi  作者: 坂上聡美
4.路線事故

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14/33

2.脅迫状

 聡美は相島財閥の頭取、相島あいじま 裕次郎ゆうじろうの自宅を訪ねた。

 他に抱えていると言う案件が、相島からの依頼だったからだ。

 インターホンを鳴らす聡美。

「はい」

「依頼を受けた探偵の坂上です」

「少々お待ち下さい」

 少しして、家政婦が出てくる。

「坂上様、お待ちしておりました」

 家政婦が中へと案内する。

 聡美は家政婦に連れられ、応接室にやってきた。

「今、旦那様を」

 家政婦が旦那を呼びに行き、連れて戻ってきた。

「お前は下がれ」

 旦那の一言で、家政婦が部屋から出て行く。

「お待たせしてすみません、坂上さん。初めまして、私が相島 裕次郎です」

「坂上 聡美です」

「早速ですが、こちらを」

 裕次郎が、聡美に封筒を差し出した。

「これは?」

「脅迫状です。私の妻、聡子って言うんですけども、彼女を殺害すると書かれています」

 聡美は封筒から手紙を取り出して読んだ。

 内容は、聡子の命を狙っていることと、その狙っている者が、お金を渡せば殺さないが、警察に話したら命はない。と、言うことだった。

「買い物へ行ったきり、聡子が帰ってこないのです。もしかしたら、もう殺されてしまったのではないかと……」

 聡美は知っていたが、裕次郎を悲しませることになるので、何も言わなかった。

「坂上さん! お願いします! 脅迫状の差出人を捜して下さい! そしてどうか、聡子を無事に!」

「旦那さん、一つ聞きますけど、矢島という探偵に何か依頼してますか?」

「矢島? 知りませんな」

「そう、ですか……」

 ドアのノックの後、家政婦が入ってくる。

「なんだ? 今は取り込み中だ」

「旦那様、警察の方が」

「警察?」

 旦那と聡美は玄関に急いだ。

 宗方刑事が、聡美を見て驚く。

「坂上さん、何をしてるんですか?」

「刑事さん、彼女を知り合いで?」

「先ほど、殺人──」

「ああ! あの時はどうもー!」

 聡美は宗方を外に連れ出し、言った。

「被害者の旦那さんには言わないで欲しいんです。それから……」

 聡美が宗方に脅迫状を見せた。

「脅迫状?」

「事件の話を今するのはまずいですよ」

「そうですか」

 聡美と宗方が中に戻る。

 裕次郎は疑問符を浮かべていた。

「相島 裕次郎さん、警視庁の宗方です」

 宗方が裕次郎に警察手帳を見せた。

「先ほど、ある筋から脅迫状が届いたと言う話を聞きまして、取り急ぎやってきたのですが」

「そ、それじゃ犯人に殺されてしまう!」

(バカ……)

 聡美は宗方に対してそう思った。

「殺されてしまう?」

「脅迫状に、警察に話したら殺すって」

「そうでしたか」

「ああ、どうしよう?」

「宗方さん」

 聡美は宗方を外へ連れ出した。

「あんたバカじゃないの? ショック与えてどうするのよ?」

「すみません」

「仕方ない。全て打ち明けましょう」

 聡美と宗方は中に戻る。

「相島さん、奥様の聡子さんですが、先ほど電車に轢かれてお亡くなりになられました」

「こ、殺されたのですか!?」

「警察は事故、殺人の線で動いてます」

「あ、ああ……」

 裕次郎は崩れた。


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