咲く花、散る花
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小高い丘の上の太陽神殿を中心として、十六の区画に分けられた街区を持つ聖都ファンオウ。そこへ住まうほとんどの住人が、褐色肌もまぶしい半裸の男女たちである。極彩色の化粧で顔や身体を飾り立てた彼らは、熱狂をもって今日という日を迎えている。
整頓された街路にひれ伏し、太陽神殿を讃える住民を扇動するのは、白い神官服の使徒たちである。十六の街区にそれぞれ一人ずつ、褐色肌の女性が遣わされている。周囲の熱狂とは裏腹に、彼女らの表情は固く、厳かであった。
使徒たちに、いかな思惑があるのか。それは民たちには知る由もないことだった。いや、一部の女性信者らは、気付いているのかも知れない。だがそれはそれとして、慶事を祝することは、大聖堂ではなく太陽神殿より下された、神命である。個人の密やかな趣味趣向など、入り込む余地は無い。
夜明けより始まった祈りの時間は、果無の山脈から朝陽が完全に姿を現したところで終わる。そして住民たちは、街区に設けられた広場へと集まってゆく。誰一人、欠ける者などいない。ほどなく各広場で、革張り太鼓と笛の音が上がり始める。ワニの肉やヒマワリの種、そして酒が振る舞われれば、宴の時間であった。
陽気な楽の音に乗って、ものを食らい民は踊る。太陽神殿から神に見てもらう為に、皆化粧をしているのだ。楽器を操るのは、それぞれの街区の民の中で、一番の遣い手たちである。腹の底から響く太鼓の音と、軽やかに風に乗る笛の音は、大地と風の感謝に満ちている。踊りは激しい振りつけで、身体中を使って表現するのは伸びゆくヒマワリだった。
民たちの熱狂は、全てが太陽神殿へと捧げられる。彼らの奉ずる神、ファンオウへの祝いと感謝の祭事なのだ。聖都ファンオウに住まう全ての者にとっての、救世の主に捧げる舞踊の祭りである。
「ファンオウ! ファンオウ!」
手拍子を鳴らし、民らは時折神の名を呼ぶ。澄んだ空気に乗った賛辞の声は、丘の上の白亜の神殿へと届いてゆく。広場の中央には篝火台も設えられており、祭りは夜通し続けられる見込みであった。
誰もが明るく、笑顔で踊り、呑み、食らう。神と崇める領主ファンオウの心底からの願いを、民らは知らずのうちに体現していた。幼い子供らも、酒の代わりに果実の汁を飲み、大人たちの陽気に当てられてはしゃぎまわる。老いた者らは、踊りの代わりに咽喉を使って朗々と楽の音を謳い上げる。ヒマワリの種があちこちに蒔かれ、にょきにょきと伸びて大輪を咲かせる。
領民らが一丸となって祝うこの日は、ファンオウと白雪の婚儀の宴であった。
白雪が太陽神殿の中庭へ訪れてより、二日後の出来事である。早朝に目覚めたファンオウは、女官のヨナに身を清められ、真新しいゆったりとした白い布衣に身を包む。所々に散りばめられた、金糸の刺繍がきらきらと朝日を受けて輝く。つるりとした頭にかぶる布冠にも、布衣と同じ意匠を凝らした刺繍がある。無論その形は、領の象徴となったヒマワリの花である。
豊かに拡がる布衣の裾を揺らし、ファンオウは豪奢な椅子のある広間へとやってきた。玉座と見紛うばかりの派手派手しい椅子には改良が施され、大人二人が余裕をもって座れる横幅となっている。
椅子の左右にはエリックと、ソテツがそれぞれ立っていた。そして玉座の前には神官長ランダと、女ドワーフのレンガと老学者のオウギも膝をついて並んでいる。
「殿の御成りだ! 頭を下げよ!」
ファンオウの登場に、エリックが声を張り上げる。広間に大きく反響する声に、ファンオウはやや早足で椅子へと向かう。踏んづけてしまいそうな丈の布衣の裾は、後ろについたヨナが持ち上げていた。
ファンオウが急ぎ足になったのは他でもない、膝をついたまま頭を下げる面々への配慮である。どうしても窮屈な姿勢になる為、出来るだけ速やかに礼から戻らせたかったのだ。
そんなファンオウの意図をどう解釈したのか、椅子へ腰掛けたファンオウをちらと見やったエリックはしばらくタメを作る。たっぷりと、長い数十秒が過ぎてゆく。
「良し!」
ようやくのエリックの号令に、控えの者らが一斉に頭を上げる。レンガとランダは苦々しい眼をエリックへ向けたが、オウギだけは涼しげな表情だった。
続いて、広間の正面の扉が再び開く。大きな扉の向こうから、まず姿を現したのは小柄な少女だった。ファンオウの弟子であり、領内では預言者というファンオウの言葉を領民へ伝える役目もこなす、イファである。イファの背後には、長い縦笛や琴を持った褐色肌の半裸の男たちが続く。
イファはそのまま座するファンオウに一礼し、レンガの隣へと並んで膝をつく。半裸の楽団は、それぞれ左右へ別れて広間の端へ寄り、深々と礼をして楽器を構える。
「龍神、白雪様、御登場! 楽の音、出せ!」
広間へ朗々と声を響かせるのは、ソテツである。直後、楽団が音を奏で始める。それは荘厳でありながら、得体の知れぬエネルギッシュな演奏だった。
流れる楽の音に乗って、白雪が広間の入口へと姿を見せる。その姿は二日前、ファンオウの前に降臨したときの白無垢の布衣に角隠しのヴェールをつけた、簡素だが美しい装いである。
白雪の背後でヴェールを持って続くのは、領主代理として南方領を実質的に任されている小人族のアクタである。元々白雪の従者であるアクタは、堂々と小さな体躯の胸を張っていた。
白雪がファンオウの隣へ座り、ヴェールの端をヨナへ手渡したアクタがオウギの隣、末席へと膝をつく。これで、全員集合であった。
「これより、婚姻の儀を始める! いと目出度き今日という日を、皆、しかと眼に焼き付けよ!」
周囲に視線を向け、声を響かせたエリックがヨナへ合図を送る。ヨナがうなずき、玉座の側へ白い陶器の徳利と盃を乗せた台を運ぶ。
「それでは、小生より、古の儀式の祝詞を奏上いたしまする」
置かれた台の前に進み出て、オウギが言う。ぴりりと、場に緊張が走った。しわがれたオウギの声音は荘厳で、深い見識に基づいた所作には淀みが無い。しゅっと、二本の指を立てて徳利の酒に向け印を組む。茫洋として見つめるファンオウの傍らで、エリックが全神経を研ぎ澄ませてそれを見つめていることにファンオウは気づかない。
オウギには、王都から寄越された宰相ジュンサイの手の者である、という嫌疑があった。為に、エリックはオウギを試しているのである。妙な動きを見せれば、婚礼の席であろうとも斬り捨てるつもりであった。そんなエリックの思惑を知ってか知らずしてか、オウギは粛々と儀式を進めてゆく。盃に、徳利の酒が注がれた。
「この、盃を、飲み干しましたならば、御領主ファンオウ様、そして龍神白雪様は、夫婦となられます。天地神明に誓い、異議なき心で、臨まれますよう」
朗々と謳い上げたオウギが、ファンオウへ盃を捧げる。両手で盃を受け取ったファンオウは、端を口に当ててゆっくりと傾けてゆく。澄んだ色をした酒の味は甘露ともいえる旨さだった。
作法通り、半分を口にしたファンオウは盃を隣の白雪へと手渡す。白雪の紅い唇へ、盃が触れる。幼くも妖しい魅力を帯びた横顔に、ファンオウは飽かず見惚れていた。
「見事、飲み干されました盃は、夫婦の誓いの成りましたる証にございまする。この、盃を、打ち砕き、返らぬ契りを、天へと捧げまする。神よ閻魔よ、どうぞ、ご照覧あれ!」
白雪から空の盃を受け取ったオウギが、天へ向けて逆さに向けたそれを床へと叩きつける。脆い陶器の盃は、粉々に砕け散る。楽の音が、広間に鳴り響いた。
「これで、わしとお主は、夫婦じゃのお、白雪や」
穏やかな笑みで、ファンオウは白雪の手を取り言った。
「うむ。そなたと妾、死が二人を別つまで、否や、別つとも、夫婦じゃ」
にっこりと、童女の顔の中に嫣然としたものを滲ませながら、白雪が答える。ゆっくりと近づき触れる二人の前で、オウギが深々と一礼して元の場所へと戻ってゆく。ヨナが、徳利を乗せた台と盃の破片を集めて下げた。
堅苦しい儀式の後は、宴が始まった。太陽神殿の広間から前庭へと場を移した一行は、ファンオウと白雪を上座として輪を作り、山と用意された食事と酒を口にする。丘の下の集落のあちこちで騒ぐ民らとともに、倒れるまで飲み食らう。それは賑々しい祝宴だった。
酒杯を片手に、ファンオウが重臣たちと酒を呑み交わし、傍らで白雪がトマの実やヒマワリの種などを甲斐甲斐しく夫の口へと運んでゆく。偏屈な老学者のオウギや、特殊な嗜好を持つランダでさえも、祝賀の空気にあてられたかのように満面の笑みを浮かべていた。
「……納得、出来る訳ないよ、ファンオウさぁん」
そんな中で一人、酒席の隅にいて手酌で杯を重ねる小柄で不機嫌な影があった。ヒマワリ色に染め抜いた一張羅の布衣を身に付け白銀の槍斧を背負っている、レンガである。
「あたしが、あんなに押しても落ちなかったっていうのに、何だって、あんなちびっ子に取られるんだよぅ……」
レンガの足元には、空になった徳利がいくつも転がっていた。
「ドワーフがダメで、龍ならいいっていうのは、どういう了見なのさ、ねえ……うぅ」
どんよりじめじめとした空気を漂わせるレンガの周囲では、盛んにヒマワリの花が咲いては散っている。レンガの纏う空気が重すぎて、瘴気となってヒマワリを集めさせているのか、それともぐちぐちと零しつつツマミに食べるヒマワリの種が地面に落ちたせいなのか、それは分らない。ただ幸か不幸か、大輪の華やかさに隠され、レンガの空気は周囲へ拡散することは無かった。
徳利を逆さにし、杯へ注いだレンガの上に、すっと影が差す。
「……殿の晴れの日だというのに、どういう顔をしているんだ、お前は」
美麗な容貌に微かに苦いものを含ませて眼前に立ったのは、エリックである。
「うるさい。殿、殿って……大体、あんたが付いていながら、やや子まで出来たっていうのは、どういうことなのさ、エリック? エルフ様御自慢のその二つの目玉は、節穴なの?」
どろりと酔いに濁った眼つきで、レンガはエリックに絡む。エリックが真面目な顔になり、首を横へ振った。
「不覚を取ったことは、認める。白雪……奥方様には、俺にもかなわぬほどの力があった、ということだ。そして何より、殿が望まれた。それが、全てなのだ」
「はん、だとしたら、あんたの忠義も大したことないね。おめおめと隙を突かれて、それで事が済んだら殿の意思? 聡明なエルフ様らしい、逃げ口上だね」
神妙な態度のエリックに対し、レンガは挑発的だった。鼻で笑って見上げてやると、切れ長の美しい瞳の横に青筋が浮き上がる。
「いちどきに呑み過ぎだ、土ミミズ。ドワーフが酒に呑まれる、珍しいものを見ているな、俺は」
乏しいエルフの表情の中に、くっきりと嘲笑が浮き上がる。眼にしたレンガは、すっくと立ちあがった。
「あにおう! これしきのお酒で、あたしが酔ってると、本気で思ってるの? やっぱり眼がおかしくなっちゃったんだね、この口だけエルフ様は!」
「どこをどう見ても、性質の悪い酔っ払いだ、今のお前は」
身長差を味方につけ、腕組みをしてレンガを睥睨しつつエリックが返す。その怜悧な眼差しが、レンガをさらに刺激した。
「上等だよっ! あたしが酒に呑まれてなんていないこと、証明してやるっ!」
叫びざまに、レンガは白銀の槍斧を背から抜いて構える。
「……何の心算だ、土ミミズ」
ひゅん、と風を切る槍斧の切っ先を見据えてエリックが問う。
「剣舞だよ。祝いの席の余興には、ぴったりじゃない。相手はもちろん、してくれるよね、馬鹿エルフ様?」
挑みかかるようなレンガの視線とエリックの冷徹な視線が、しばしぶつかり合う。やがてエリックはうなずいて、輪の外で見守る兵士の一人から剣を受け取り鞘から抜いた。
「いいだろう。今のお前ならば、この剣で充分だ。相手をしてやるから、有り難く思え」
眼の前に現れた剣を見て、レンガは眉を吊り上げた。
「そんな数打ちの剣で、あたしの最高傑作を止められるとでも?」
いかに酒の酔いがあるとはいえ、レンガとてドワーフである。武器の材質の良し悪しは、眼にしただけで判じることが出来る。近衛の兵の剣とて質は悪くは無い。だが、レンガ愛用の槍斧の素材とは、雲泥の差があった。一太刀で、これを両断することは難くない。レンガの胸に、確信が訪れた。
「余興なのだろう。それに、お前の打った武器など、この剣でも充分にへし折れる。試してみたいか、土ミミズ」
罵倒の言葉に、かっとレンガの頭に血が駆け昇る。
「剣ごと、叩き斬られて泣くんじゃないよ、増上慢!」
構えた槍斧を、眼にも止まらぬ速さで横一閃。それは、レンガの得意技の一つである。低い身長から放たれる胴薙ぎの一撃には、ドワーフの強靭な筋力が余すところなく乗せられている。下手な受け方をすれば、受けた腕ごと弾き砕く。酒の入っているとは思えない、本気の一撃だった。
「ふん!」
鼻を鳴らしたエリックが、剣を立てて槍の穂先を受け止める。刃と刃がぶつかり、火花を散らした。
「ど、どうしたのじゃ、エリック、レンガさん?」
狼狽しつつもどこか長閑なファンオウの声が、レンガの耳に届く。
「これより、剣舞を披露いたします、殿。ご笑覧ください」
くるりと優雅に身を回し、エリックが競り合いを外して剣を構え直す。余裕たっぷりな動きと表情に、レンガの頭はますます煮え立った。
長柄を手元へ手繰り寄せ、白銀の穂先をひらめかせて神速の突きをお見舞いする。二段、三段と心臓目掛けて繰り出される穂先はしかし、斧部分の付け根に剣を立てられ防がれる。
「ほほう、これは中々の見物じゃのう、ファンオウ」
愉しげな白雪の声など、最早レンガには聴こえていない。長大な槍斧を己の身体の一部と成して、振り回し、叩きつけ、突きかかる。あらゆる致死の攻撃を繰り出す、戦士の思考がレンガを支配していた。攻撃は手数と速度を激しくして、エリックに軽口を叩かせる余裕を与えない。白銀と鉄のぶつかり合いの中にあるのは、互いの闘気のみである。
お前の力は所詮、そんなものだ。どこにも届かず、何も得られない。火花が散るたびに、エリックの剣からそう伝わってくる。それは酔いの聴かせる、世迷言なのかも知れない。棒切れのように槍斧を振り回しながら、レンガの闘気は返す言葉を失ってゆき、殺気ばかりが募ってゆく。黙れ、黙れ、黙らせて、やる。必死に振るう白銀はしかし、受け流されるばかりだった。
剣舞に合わせ、周囲から楽の音が鳴り始めていた。時折手を叩き、はしゃいだ声を上げる白雪。その傍らで、茫洋とした眼で見守るファンオウ。身体を動かすうちに酔いはすっかり醒め、レンガの心は無我の境地へと近づいてゆく。ファンオウの隣にいるのは、自分でありたかった。無念の想いも、繰り出す一撃一撃が受け止められるたびに、白い殺気へと変わってゆく。
楽の音が、最高潮に達した。暴れる呼吸を胸の中に抑え込み、レンガは細く、息を吸う。弾かれた槍斧を手元に引き寄せ、力を溜める。右手で柄の端近くを握り、広く間隔を空けて左手も柄に添える。狙うは、エリックの心臓唯一つ。ぐっと腰を落とし刺突の構えを見せるレンガに、エリックの眼がすっと細くなった。
ぴんと、緊張の間が場に訪れた。楽の音が終わりを迎え、最後の一音が微風に流れて消えてゆく。尾を引く残響を追いかけるように、レンガの身体が動いた。何の衒いも無い、突きの一撃。突き出される穂先には捻じりが加わり、触れるものを弾き砕く破砕の力が込められている。一対一で、レンガの遣えるそれは奥の手だった。
「……終わりだ」
迫る穂先を前に、エリックの口から静かな呟きが漏れた。同時に動いたエリックの剣先を、レンガは眼で追うことすら、出来なかった。ぎいん、と金属の、折れ飛ぶ音が、周囲へ響く。斜め下から上へ、剣を振り抜いた姿勢のエリックの胸へ、レンガの白銀が初めて届く。だがそれはエリックの胸を貫くどころか、布衣に微かな皺を作って止まった。槍の穂先は、綺麗に斬り飛ばされていた。
「あ、え……?」
吐息と一緒に、間抜けな声がレンガの口から零れた。引き戻した槍斧の穂先は槍部分を失い、最早長柄の斧となり果てている。ただの数打ちの剣に、己の最高傑作が負けた。衝撃に、レンガは膝から崩れ落ちた。レンガの背後で、咲いたヒマワリの花が、ぱさりと散った。
斬り飛ばされた穂先は空を裂いて、回転しつつ白雪のほうへと飛来する。尋常ではない速度で迫る刃を、白雪が嫋やかな二本の指でつまみ取る。
「良い余興じゃった、エリック」
にたり、と不敵な表情を見せて言う白雪に、エリックが黙して一礼し、剣を鞘へと納める。
「おお、お主も、よう止めたのお、白雪や」
白雪の傍らで、ファンオウが眼を真ん丸にして言った。ファンオウが飛来する刃に気付いたのは、白雪が事も無げに二指で受け止めた、その直後のことである。
「何、この程度、貴婦人であれば当然の所作じゃ、ファンオウよ」
艶やかにファンオウへ微笑んでみせ、白雪が答える。
「ふむ、貴婦人とは、凄いものなのじゃのお。ともあれ、エリックも、レンガさんも、見事じゃった」
ファンオウの言葉と共に、人の輪の中のあちこちから拍手と称賛の声が上がる。
「……ファンオウさんに、喜んでもらえて何よりだよ」
呆然としていたレンガは慌てて立ち上がり、白銀の斧を背負い直して取り繕う。ほどなく、賑々しい酒宴が楽の音と共に再開された。
太陽神殿に献上されているのは濁りのない美酒であったが、レンガにとってそれは苦味の強い、生涯忘れられぬ味となった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。のほほん様の結婚披露宴はもうちょっとだけ続く予定です。
今回も、お楽しみいただけましたら幸いです。では。




