12.5 幕間――怪しい忍者
多幸湾
月陽が意識を失った暫く後
賢治が呼んだらしい救急車や役場の車等でにわかに騒がしくなっている、夕暮の多幸湾の砂浜。
その光景を見下ろせる位置にある森林から、1つの小柄な影が、望遠鏡のような物を使い、その様子を窺っていた。
その影はまるで忍者のような装束を纏っていたが、その姿にはまるで似合わない、白く下が長い十字のネックレスを身に着けていた。
『・・・・厶ーーーー・・・・』
その影は、手にした望遠鏡を覗きながら暫く唸っていたが、望遠鏡をたたみ、代わりに取り出した分厚い本を捲りながら目で追い続け、とある箇所で手を止め読み始めた。
そして、なにかを得心したのか、本をポンと閉じ仕舞いながら、驚きと焦り、そして若干の歓喜を織り交ぜたような様子で独白し始めた。
『こ、コレは、コレは、拙者が赴任して以来、は、初めての、報告事象ではござらぬか?
オー・・・オーーー、ジーーザスッ!遂にこの退屈な仕事に彩りが!フーーーーー!
・・・オー、落ち着くでござる拙者。先ずはこの事象を本国に連絡して、指示を仰がねば!』
そう独り言を呟き終えると、その小柄な忍者は周囲を警戒しながら、飛び跳ねるような動きで木の枝々を渡り、森の暗闇に消えていった。
とりあえずの幕間投稿。
これでまたしばらくは投稿が途絶えるとは思いますが、どうにか頭の中をまとめて続きを書き溜めてきますので、暫くお待ちいただけますと幸いです。




