表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強聖女は追放されたので冒険者になります。なおパーティーメンバーは全員同じような境遇の各国の元最強聖女となった模様  作者: 山外大河
五章 聖女さん、過去の清算をします

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

316/322

8 聖女さん達、成果報告

 ニックに案内された私達は、もはや見慣れてしまったマフィアさん達の事務所の中を歩く。

 その道中の空気はやや重い。

 私達がどうこうというよりは場の空気が。


 ……やっぱなんか有ったっぽいね。


 そして私達が案内されたのは、先日ミーシャと顔を会わせる事になった際に使われていた応接室だ。


 そしてニックが扉をノックする。


「ドルドットに里帰り組が戻りました」


「入ってくれ」


 中から聞こえてきたクライドさんの声を合図に扉が開かれる。


「ただいま」


 そう言いながら部屋に入ると、中には主要メンバー大集合って感じだった。


 三人掛けのソファに客人のように座るステラとしーちゃんとミカ。

 ガラステーブル越しに二つ置かれたソファにそれぞれ座るマフィアのボス、もとい冒険者ギルドの部長さんとアリアさん。

 あとは壁に背を預けるルカとマルコさん。

 ……いやマルコさんも幹部だから座ればいいのに。どっかに椅子あるでしょ。

 それ用意するのも下っ端の仕事なんじゃないかな?

 なんか扉空けてからどっか行っちゃったけど。


 ……なんて冗談を一瞬しか考えられない位には、マジで空気が重い。

 こんな言い方はアレだけど……しーちゃんですら。


 そんな空気をひしひしと感じていたところでステラから声が掛けられる。


「おう、お帰りアンナ。それにシルヴィとシズクも」


「あっちゃん達の方は何事もなかった?」


「表情を見る感じだと、悪い事は無かったみたいですけど」


 ステラとしーちゃんとミカの言葉に頷く。


「話しても長くならないからざっくり言うけど、ウチの国のバカと一応和解して協力関係にはなったよ。それでなんか裏で魔正教っていうヤバイ宗教団体が関わってるんじゃないかなーって話にまで辿り着いたよ」


「ドルドット王は相当なヤベー奴で、アンナさんとは非常に仲が悪いと認識していましたが、一体どうやって和解したんですか。まさかこれです?」


 アリアさんが冗談みたいなノリでスッと拳を構える。


「うん、そんな感じ。一発殴ってそれでチャラって事になって、顔面をこう、ばこーんと」


 そう言うと、冗談を言ったアリアさん含め全員が深々と溜息を吐く。


「……まあ概要だけ掻い摘むと結構ヤバい発言に聞こえるかも」


「現場見てても普通にやべー絵面っすよ」


「……嫌な予感的中だ。だから俺頼むぞって念押したのにぃ……」


 そう言って勘弁してくれよと言った視線をシズクとシルヴィに向ける部長さん。


「いやいやいや、そんな目向けないで欲しいっすよ。僕達に過失ないですって」


「まあ確かにやべー状況では有りましたけど、一応あの場では多分誰の過失も有りませんでしたよ。本当にやべー状況ではありましたけど、双方合意の上だったんで。本当にそれで後腐れなく終わらせるって感じだったんで」


「なんだよ双方合意で王様殴る展開って……ヤンキー漫画?」


「なんかそう言われると、チンピラみたいで嫌だな……」


「まあ付き合いの長いウチから言わせてもらうと、あっちゃん昔から喧嘩っ早かったし、ウチもひっくるめて若干チンピラだよ」


「昔云々だと、大概しーちゃん助けに行った時しか暴力振るってない気がするんだけど!」


「なあベルナール。もう面倒だから、良くも悪くも若干チンピラって事でこの話終わらないか」


「この話終わってくれるなら助かるけど、この終わり方で良いのかな!?」


 絶対良くない!

 ……気がするけど、まあ、一旦それで終わっとくべきかもしれない。


 こんなアホみたいなやり取りをしながらも、空気の重さがあまり変わらない。

 少しだけ明るさを引っ張り出しただけみたいな感じで、根底にある空気感のような物は何も変わってない。


 変わってないからこそ。

 こんなアホみたいな話をしても、それでも変わらないからこそ。

 ……もうこんなアホみたいな話をしている場合じゃない。


「……それで、こっちは何が有ったの」


 聞かなければならない。


「私達の方の成果は本当に、皆がドン引きしているような流れで和解した事と、裏で関わっているかもしれない宗教団体の話ぐらい」


 そう、後者の話もしたのに。


「……後ろ半分の真面目な話に誰も食い付かない位の事が、こっちで起きたんだよね」


 そして、それが起きたからなのだろうか。


「あとそもそも……レリアさん、どこ?」


 この場に居る筈の、最重要人物の姿が見えない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ