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混沌
なんだ!このやろう!
テメエ!こそさ!
私は争いに巻き込まれまいと顔をマントで隠し市場を後にする。かび臭く甘ったるい気持ちの悪いニオイが鼻につく、このスラムの街。ここを後にし、ただ静かな苔に覆われ、荒れ果て、割れ目だらけの黒い砂利道の真ん中を重たい籠を背負って、ただ裸足で歩いた。道の途中でちょうど腰ぐらいまで伸びたアキノノゲシなんか見つけたら、引っこ抜いて籠へ詰める。
それにしても暑い。こんな暑さで干からびてる男か女かも分からないミイラが転がってたり、骸骨を蹴飛ばして、退屈を凌いだ。表の道は、チンピラどもに通行料を払わなきゃならんから、多少遠回りをしてもこの道を行くのが安全だ。
しばらく歩くと川へ出るも、橋げたが落ち、修理する者は誰もいないから水浴びがてら川へ飛び込んだ。冷たくて気持ちいい。濡れたマントが、ちょうど暑さしのぎにもなった。とりあえずペットボトルに水を汲んで、籠に入れ運んだ。
帰路に着いた頃には足はクタクタだ。屋根が崩れ落ちてツタまみれの、私の自宅を前に大の字になって寝転んだ。はぁ、今日も生きて戻ってきたなぁ。明日も生きられるといいなぁ。
私はしばらくこのままでいた。




