第48羽 奮闘
ライトが戦線離脱して2人でアグリア・ワイバーンとの戦闘になる。ルナの攻撃力は相手の意識を引くのに十分である。敵の注目がルナに集まった瞬間に再度岩陰に姿をくらます。
突然に先程まで戦っていた相手が1人が消えたのでワイバーンは混乱している様子だ。水球を展開し、辺り一面に水鞭で滅茶苦茶に攻撃をしてくる。だが、オレとルナにそんな攻撃は当たらない。
「中々やるじゃないの。そうよ、無理に戦いを急ぐ必要はないわ。」
確実に決められる攻撃を決めれば、自ずと勝利は見えてくる。今のヤツの攻撃パターンを見るに今のオレ達ならば避けられない攻撃ではない。
リラァアアアアアアアア
おもむろに水球に光が灯り、水のレーザーとなって途轍もない速度で襲い来る。
「なっ!」
突然の攻撃だが、敵はオレの位置を認識していないので、体を翻して何とか回避することが出来た。
「っ、ルナッ!」
「大丈夫!」
魔防を上げたおかげで何とか耐えられた様だが中々のダメージを負った様だ。この水のレーザーと水鞭が緩急をつけて襲って来る。正確に狙われているルナは弾くのが精一杯の様だ。
オレも間を縫って攻撃をしなければならない。見つかれば弾幕の餌食になるだろうから迂闊には行動できない。
「ああっ!」
必死に防いでいるルナであったが、防御に意識が集中し過ぎた様だ。足元から水鞭が巻きつきルナの身体を空中に浮き上げる。
「ヤバいっ!!」
ルナが空中に上げられてからも水のレーザーは容赦なく襲いかかる。拳で弾いていたが、両腕・両脚と水鞭で絡め取られていく。、大急ぎで攻撃に移る。文字通り手も足も出ない。空中に大の字に縛り付けられた状態だ。アオイさんもいつでも迎撃出来るようにしてくれているようだが…
「ラルドっ!!」
碧色が契約紋に加わる。魔力を込めた矢を2本放つ。現状、魔力コントロールで操作可能な数だ。2本の矢はルナの正面に円面を形作る。
防御魔法:絶対領域
円面に碧色の防膜が貼られる。即席の魔法ではあるが何とかこの攻撃は耐え切れそうだ。弾幕が終わるまで絶対領域は維持する。
ガガガガガガッ
水撃の集中放火を受けるが全てを弾く。
「ありがとう、ラルド!」
『フンッ』
ラルドはガードが固い。慣れれば心を開いてくれるといいが…
「ルナ!抜け出せそうか?」
「ごめん、無理そう。」
必死にもがくが、水なだけあって柔軟性に富んでいる様だ。振り解こうとしても解ける様子はない。
まずいな、現状ルナを攻撃されれば防御魔法を発動せざるを得ない。このまま行ってもジリ貧だ。オレの魔法はMP効率が悪いので削り合いには不向き。
そんな事を考えている内に2回目の弾幕が放たれる。
「くっ、仕方ない…」
絶対領域を発動させ、再度ルナを守る。いくらステータスが上がったとは言え、連続であの攻撃を受けるのは危険だ。
流石に2度封じられた攻撃を理由もなく続けては来ない。ならばとルナに絡まった水鞭が周囲の水を吸収。みるみる内に巨大化していく。
「ヤバい!!」
これはオレの魔法でどうすることも出来ない。雷電、氷冷、炎熱全ての攻撃魔法はルナを巻き込んでしまう。
防御魔法もあれだけ接近しては絡み付いていては使えない。
考えている暇はない。水球はルナの首元まで達してしまっている。
ならば
まずはルナを脱出させるのが優先だ。弾幕が収まるのを見計らって、ルナに接近。空間魔法での転移を試みる。
ゴボゴボッ
水はすでに顔を覆うまでになった。
ヒュンッ
ダメだ…ルナだけを転移させるほどの細かいコントロールはまだ出来ない様だ。水は少なくなったが、ルナの身体を覆っている水はまだ消えてない。
ならアグリア・ワイバーンを直接叩く。最高速で移動し、アグリア・ワイバーンの目前に出現。雷電地帯のチャージは既に完了している。
「喰らえっ!!」
パシッ!
先程、ルナの救援に入った際に隠密スキルの効果は消失。認識された状態では今のオレの敏捷でも振り切れなかった様だ…水鞭に捕まり、矢は放たれる前に地に堕ちた。
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