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6-3 和也の旧友
和也が智美に樹との出会いから智美と出会うまでの出来事を一通り話した。今度こそ「どうするつもり?」と聞かれるだろうと和也は身構えたが、智美はそうは聞かなかった。
「あのドミノの森さんと和也が知り合いだっただけでも驚きなのに、そんなに大事な友達だったんだ。へえ~今度私にも会わせてね。」
と智美はいつになく反応が薄い。あれっと和也は思ったが今どうするか聞かれたところで和也は回答をだせるわけもなく、その反応はうれしいものだった。そしてきっと智美は意識して自分に考える時間をくれたのだと思った。反対も賛成もしないで、なんの抵抗もなく自分の声をだせるようにしてくれたのだ。前回のように慌てて回答をださず、じっくりと考えよう、和也はそう思った。