堪んない!【千佳】
バイト帰りに更新ww
今日は一年で一番楽しみにしていたイベント、バレンタイン。何で楽しみかっていうと~・・・紫綺くんFCのサイトからある情報が入ったから!
それはFC会長である私がサイトを見てニヤニヤしている時だった。“紫綺くんを愛でる会”という名のついた掲示板のスレッドに外部から(つまりFC非会員)のとある書き込みがあるのを見つけた事から始まる。
そこには、ファンなら誰でも食い付く内容が書かれていた。書き込んだ主は不明だったから、本当かどうか定かじゃないけれど、妙に真実味があったからきっと本当の事だと思う。
内容は以外の通り。
“藤田さんはバレンタインの日、彼なりのルールを作っていると言っていました。そのルールの中の1つに、バレンタインにチョコをくれた人には笑顔で応対するというルールがあるそうです”
たったそれだけの内容だったのだけれど、FCメンバーの書き込みでスレッドが炎上。書き込みがMAXまでいっちゃって、新規のスレッドを作らなきゃいけなくなっちゃった。
FCの力、恐るべし。
とりあえず、確かめてみる事には始まらないと用意していた彼の好きなガトーショコラを持って家を飛び出した訳。
今日は自由登校らしいけど、紫綺くんなら学校へいくはず。私はそう思って学校へ向かった。だけど、居たのは大勢の女子高生。感じからしてFCの子じゃない。しかも璢夷にたかってるし。
ここじゃないのかなぁ。
次に向かったのは、図書館。博識で頭のいい紫綺くんにはぴったりの場所よね!
私は全力疾走して図書館に向かった。
図書館について、中を眺めてみたけれど、美麩ちゃんしかいない。仕方がない、FCの子で遭遇した子が居ないか確認してみよう。私は携帯からサイトに接続し、スレッドを立てた。
“紫綺くん目撃情報はこちら”
すると、FCの子からすぐに反応があった。
『紫綺様なら図書館方面へ向かっているようです!』
『追跡しているの?』
『はい!あ、でも会長が先にと思って、まだチョコは渡していません!』
私はそれを見て感動した。なんて会長想いなメンバーだろう・・・。
『丁度私図書館にいるから、張り込みしておく!皆も来ていいよ。私が渡した後、皆もチョコを渡して、紫綺くんを笑顔にしよっ!』
『は、はいっ!』
私は図書館の入り口で張り込みを始めた。暫くすると、紫綺くんがやってくるのが見える。
「紫綺くぅうううん!」
私は思いっきり叫びながら手を振った。紫綺くんはうわ!という顔をしたけれど、その足は段々とこちらに近付いてくる。
私はわくわくしながら敢えて入り口の前で待った。
「な、何でお前がここにいんの?おかしくない?」
「紫綺くんにこれを渡したくって――」
「待った!入り口じゃ邪魔になる。一度移動しよう」
紫綺くんは、図書館の入り口は他の人に迷惑が掛かると場所を移動すると言い、場所などどうでもいい私は、紫綺くんに従った。
紫綺くんが向かったのは、図書館のすぐ隣にあるカフェだった。
「――で?用件は・・・それ?」
「うんっ!千佳の特製ガトーショコラだよっ」
紫綺くんがガトーショコラ好きっていうのは前もって調査済み。喜んでくれるかな?
「ふぅん・・・有難う」
あ、本当に紫綺くんが笑ってる――微笑だけど!でも要らないとか言われなくて良かったぁ。
私は店の入り口で待つFCの子に向かってサインを出した。すると同時に女子が店に雪崩れ込む。
「私からもっ!」
「貰ってくださいっ!」
「好きですっ!」
「ちょ、ちょっと待てっ・・・!」
FCのメンバーの数は、およそ300人。いや、それ以上かも知れない。他の地域に住んでる子は来れないとしても、ここにいるメンバーは10分の1くらいかな。
思ったよりメンバーが多かったことに戸惑っているのか、紫綺くんが私の方を見てきた。その顔は何かをお願いしているように見える。
私は店内を見渡して気付いた。列が出来てないくて、FCの子がごちゃごちゃしている。
「!」
それに気付いた私はすぐさまFCの子に指示を出す。
「皆!一列に並んで!一人一人渡すのっ!」
一気に色んな人から渡されても対応しきれないもんね♪俺は大きな袋に詰めても詰めきれないチョコを受け取った。
「あ、有難う――」
「きゃ~~~っ!」
「千佳、こいつら誰?」
「紫綺くんFCの子逹だよっ!」
私が創立した紫綺くんのFC。最初は私一人だったけど、ネットに写真UPしたらファンが急増して、今じゃ300人以上がFCに入ってる。凄いよねぇ。流石紫綺くん!
私の隠し撮りが上手く活かされたって感じ?
「俺、ちょっと用事あるからさ・・・皆、チョコ有難う。じゃあね」
FCの子全員からチョコを受け取った紫綺くんは、沢山のチョコを貰えて嬉しいのか、私達にウインクをした。FCの子、卒倒者多数。
まぁ、私は慣れてるから平気だけどね!
「きゃああぁああッ!」
「千佳、ガトーショコラさんきゅー!食べたら感想をお前のサイトにUPしてやるよ」
ウインクの写真が撮れただけでも収穫なのに、紫綺くんは私に対して特別な言葉を掛けてくれた。しかも、直々にFCサイトに書き込みをしてくれるって!
これだから紫綺くんは――!萌える要素とかっこいい要素が沢山あって・・・堪んない♪
「じゃあね!紫綺くん」
私は笑顔で彼を見送った。
【数時間後】
早速サイトを確認しにかかる。きっと紫綺くんならもう書き込みしてくれてるはずだから。
思った通り、サイトの意見板に彼が出没した形跡があった。
『ガトーショコラを作ったのは誉めてやる。けど俺の作った方が絶対旨い』
うん、紫綺くんらしい答え。私は満足した顔でこう返した。
『いつか紫綺くんを納得させるガトーショコラを作るから、楽しみにしててね!』
紫綺×千佳っていうより、
千佳→紫綺だよねこれ(笑)




