第24話:次元を穿つ眼鏡と、仮想の天地
第24話:次元を穿つ眼鏡と、仮想の天地
2012年、秋。
テレビ局連合『JMO』の全面降伏と『Next-Shorts』の爆発的普及から2年。
スマホの画面をタップし、縦スクロールで動画を楽しむ文化は世界中で完全に日常となった。『NextStream』の月間アクティブユーザー(MAU)は【18億人】を突破。もはや地球上の全人類の約4人に1人が毎日ネクストのアプリを開いている計算だ。
しかし、秋葉原『ネクストタワー』の最上階。最高経営責任者室に佇む俺——瑞樹の瞳には、すでに「スマホの次」の未来が映っていた。
「画面(スクリーンの枠)の中に閉じこもったエンタメの時代は、ここで終わらせる」
27歳となった瑞樹の佇まいは、【ALL100】のステータスによっていよいよ神々しさを増していた。絹のように美しい黒髪、吸い込まれそうな瞳、そしてただそこに立っているだけで世界を従わせるような圧倒的な言霊とオーラ。
瑞樹の手元には、黒いスリムなデザインのサングラスが置かれていた。
史実における「Google Glass」や「Meta Quest」、さらには「Apple Vision Pro」の概念を、10年以上前倒しして「技術100」の変態的テクノロジーで完成させた次世代ARウェアラブルデバイス——『Next-Glass』。
見た目はごく普通の軽量な眼鏡。しかし、それを装着した瞬間、網膜に直接描画される高精細なレーザー光線によって、現実の風景の上に「ネクストの動画」「リアルタイムコメント」「3Dアバター」が完全に融合して映し出される。
「スマホを手に持つ必要すらない。歩きながら、部屋で寛ぎながら、視界のすべてがライブ配信会場になり、映画館になり、メタバースになる……」
史実のVRヘッドセットにありがちだった「重い」「酔う」「不恰好」という欠点を、「技術100」の超高密度バッテリーと分散クラウド演算処理(重い処理はネクストの自社サーバー側で一瞬で計算して飛ばす)によって完璧に克服していた。
2012年11月1日。
『Next-Glass』の極秘記者発表会が、秋葉原のネクストタワー内の特設スタジオで開催された。
招かれたのは、世界中の最先端テックメディア、アナリスト、そしてKAZUKINやハジメをはじめとするトップクリエイターたち。
壇上に上がった瑞樹は、手に持った黒い眼鏡を静かに装着してみせた。
「皆さん。私たちはこれまで、PCやスマートフォンの『四角い画面』を通して動画を見てきました。ですが……今日、その枠組みを破壊します」
瑞樹が指先で空を優しくタップする動作をする。
その瞬間、会場内に設置された巨大モニターに「瑞樹の視界」がリアルタイム映像として投影された。
何もない空中に、等身大の3Dアニメーション美少女(VTuber)が突如として現れ、楽しそうに歌い踊り始める。
さらに、瑞樹が視線を右に向けると、空中に透明な掲示板が浮かび上がり、世界中から打ち込まれるコメントが流星のように流れていく。
『うっそだろ!? 空中にコメント浮いてるんだが!?』
『眼鏡かけるだけでSF映画の世界になったぞおい!』
『これがネクストの新しいデバイス……!?』
会場にいたテック記者の数名が、貸し出された『Next-Glass』を装着した瞬間、あちこちから「オー・マイ・ゴッド……!」「信じられない!」という悲鳴のような叫び声が上がった。
現実にアニメや動画、コメントが重なり合う、完全な拡張現実(AR)体験。
「『Next-Glass』は、本日より全世界で予約を開始します。価格は、誰もが手に取れるスマートフォンと同等のプライスで提供します」
瑞樹が完璧な笑みを浮かべ、カメラを見つめた。
「未来を見るために、もう画面を見下ろす必要はありません。顔を上げてください。そこが、あなたの新しいエンターテインメントの舞台です」
発表会の終了と同時に、全米・全欧・アジアンマーケットで『Next-Glass』の予約枠が一瞬で埋まった。
既存のハードウェアメーカー(ソニー、サムスン、アップル等)の経営陣は、ネクストが提示したあまりにも圧倒的な技術的隔絶と、ソフトウェア(コンテンツ)の完備ぶりに、再び絶望の淵に叩き落とされることとなる。
配信を終えたバックステージ。
『Next-Glass』をかけたまま大興奮で自分の手を見つめているKAZUKINとハジメが、瑞樹のもとへ駆け寄ってきた。
「瑞樹さん! これ凄すぎます! 空中にボイパの音符を浮かべながらライブできますよ!」
「僕も部屋の中に巨大な炭酸マグマを召喚するAR実験動画、絶対に撮ります!」
瑞樹は二人の様子に優しく微笑み、二人の肩にそっと手を置いた。
「ふふっ、二人なら絶対に誰も見たことがない素晴らしいコンテンツを作ってくれますよ。期待していますね」
二人の瞳に、新時代への強い炎が宿る。
1999年の6畳間の和室。56kbpsのダイヤルアップ回線からスタートした一人のTS美少女の成り上がり劇は、もはや「動画サイト」の枠すらも飛び越え、全人類の「現実そのもの」を書き換える神の領域へと足を踏み入れていた。
「さあ……現実と仮想が溶け合うこの新世界で、次に仕掛けるのは何にしようか?」
秋葉原の夜景を見下ろしながら、瑞樹の不敵な笑みが月光に照らされていた。
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【瑞樹の現在のステータス・資産状況】
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名前:瑞樹
年齢:27歳
資産:1兆2,000億円(ハードウェア事業参入・株式価値爆増)
割り振り可能ポイント:490 P
【パラメータ】
・容姿:100(MAX / 神話級の絶世美少女)
・知力:100(MAX / 全知全能の頭脳)
・技術:100(MAX / 神級エンジニア)
・カリスマ:100(MAX / 神格化された絶対的カリスマ)
・運:100(MAX / 確率を超越する天運)
【指標】
・『NextStream』月間アクティブユーザー:1,800,000,000人(18億人)
・『Next-Glass』初日予約数:10,000,000台(世界最速完売記録)
【現在の目標】
AR空間における「仮想空間都市」の構築、全世界の通信キャリアとの6G/次世代光回線インフラ共同整備。
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