試験試合がいつのまにリベンジマッチのようです。
ギルド会館を出たがまだ、午前の9時なので時間になるまで
初デート?みたいな感じで二人で町を歩くことにした。
町を歩くと、ひとつ変な店を見かける。ショーケース越しに
見えるそれはビー玉だった。自分がもっている
青いビー玉もあるが紫や赤それと緑といった色が存在した。
リーシャは隣で
「きれいですね・・・」
と眺めているので、少々甘やかしすぎかもしれないが一部屋になったお陰に
浮いたお金で彼女にかってあげることにした。
店に入ると店員がやってきて、
「きょうはどのような物をお求めですか?」
ときかれたので、彼女に何色がいい?と聞くと
「紫がほしいですっ」
と言うので
「じゃあ紫色のやつをひとつ」
と店員に言うと。
「雷の石ですね、銀貨4枚になります」
と言うので驚いた。
え!銀貨4枚って何だよ!銅貨に換算すると40枚かよ!?
あまりに桁違いな値段なので、悪徳商法かと思う。
いくらなんでもおかしいだろ!と思って店員にきいてみる。
「いくらなんでも銀貨4枚は高くないですか!?」
というと店員は気圧されてすこし後ずさりする。だが
店員はその理由を簡単に説明してくれた。
「ええっと、この魔法石はですね、北のブリュールル山から採掘され
形と共に品質も良いのでこの値段で販売させてもらっています。
それに魔法石は日常生活でもよく使う必需品なので、この品質だと
普通の物よりも長く使えますよ」
という、あれ?今この人、魔法石って言った?
え、これビー玉かと思ったら魔法石なのおおお!!??
まさかのビー玉かと思っていたものがまさかの魔法石、さすがに驚いた。
そこで一つ悪巧みを考える。そういやスロイムからでた
あのビー玉を魔法石といえば、こいつに売れるんじゃないかと考える。
そこでビー玉が45近く入ってた袋を取り出すと。
「これをいくらぐらいでかってくれる?」
と差し出すと店員はそれを受け取り中の魔法石?を取り出す。
「ふむ、これは混じりけもなく形もいいですね。すこし奥で鑑定させて
もらっても言いでしょうか?」
というので、俺はこれならいけるかも!?と思う
もちろん
「えぇ、構いませんよ」
といって店員は奥から人を呼び出し、それを渡す。奥に入ったのを確認して
店員は戻ってきた。
「それにしても、すばらしい魔法石ですね。あの品質とあの量・・・
いったいどこで手に入れたのかお聞きになってもよろしいですか?」
と興味深そうに言われたので、スロイムからとれたビー玉という
ことを隠すため。そこは
「企業秘密です」
と答えると、それもそうかと言った表示で少し残念そうにするが、そこは
セールスマンということで、すぐに元の元気な顔になった。
そこで奥から人が出てきたので店員は戻り彼と話し合っている。
そしてその袋を持って再度こちらに戻ってきた。
「鑑定させてもらった結果、これをこちらで引き取らせて
頂く金額は、金貨23枚となります」
という、瞬間俺は絶叫したい気持ちを抑えながら、
なぜその金額になったか聞かずにはいられなかった。
補足で説明すると金貨1=銀貨10=銅貨100=半銅貨200といった感じだ。
日本のお金で精算すると金貨23枚という金額は46万円に相当する。
「理由はまず、非常に品質がいいことと、水の魔法石は他の魔法石よりも
はるかに需要があるのです。」
なぜ他よりも需要があるかと聞くと
「水の魔法石はその小ささながら大量の水を生み出すことができるので、旅の人にも重宝されているとか、使う方法は至って簡単でその魔法石を手で軽く圧力をかけると割れて、中から1リットル近い水がでてくるのです」
と解説してくれる。・・・まさかあの雑魚モンスターのスロイムが
そんな価値を持っていたなんて・・・これは二人だけの秘密にしておこう。
と決意する。その後は金貨22枚と交換し紫の魔法石をかって、のこりの
おつりはいろいろ教えてくれたお礼にあげることにした。
紫の魔法石を彼女に渡すと、ありがとうございますと喜んでいた。
その後は、お昼を済ませ、広場に向かう。
広場の入り口に来て係員にカードを渡してあの中から木刀を選ぶようにと言われる
そこには大小無数の木刀があり40cmの物もあれば2mを超えそうな巨大な木刀まである。数ある木刀の中から選んだのは1mと40近くある木刀だ。ひごろ
使っている竹刀はさんぱちといって大体1m38cmあるので、割とこの
木刀はしっくりきた。
その後は彼女と別れ自分は広場へと向かい、彼女は階段状になっている、観客席に向かった。
彼女と別れ、広場の真ん中に着くと、見知った顔をみかける。
それは今日の朝にどぎついパンチを入れた獣人種族の少女だった。
俺が声をかけるよりもはやくなにかを察したようにこちらを見る。
そして
「なんで、あんたがいるの!」
と怒鳴られた、まだあのこと怒っているのかなと考えていると。
「あんたみたいな雑魚が来るとこじゃないの!さっさとかえりなさい!」
と言われ。さすがにむっとしてしまう、長年経験を積んできた剣道と
最近手に入れた魔法による身体強化を使う俺に対してその言葉は
闘士に火をつけた。
「ほぅ?じゃあ君は俺よりも強いということかい?」
と舐めた口調で話しかけるとそれに相手も乗ってきて、
「当たり前でしょ。私は誇り高き狼族なのよ!たとえ
ある程度腕がたっても私たちの身体能力に勝てるわけ無いわ!」
と当然のように上から目線で言う。ならば・・・
「じゃあ、その誇り高き狼族さんに試合前のウォーミングアップを
手伝ってもらおうかなー」
というと彼女も売り言葉に買い言葉で
「いいじゃない、試合出れないかもしれないけど、恨まないでよね」
と言うので左手に持っていた木刀を中段に構えると、彼女も
両腰にかけていた木刀を抜く。
二刀流の相手か・・・あんまりやったことないな、と思いながら彼女の様子を
見ていると、ただただ見詰め合う時間に耐え切れなかったのか木刀を振り上げながら大きくジャンプしてこちらに向かってくる。本能的にここで受け止めると負けそうな予感がしたので、後ろにジャンプする、奥の手としてまだ魔法強化はまだ使っていない。
おれが数秒前にいた地点に盛大な地響きとひびを入れさせながら粉塵が舞い上がる。そういやまわりはどうしたんだろうと思い、横目でチラッと確認すると
周りの人達はすでに離れてこちらを興味深そうにいいぞやれやれといった感じでこちらを見ている。するとさっきの硬直から解けた彼女が
「余所見とは、余裕・・・ね!」
といった感じで今度は直線的にこっちに向かってジャンプする、それを見て
待ってましたといわんばかりに魔法強化を施す。
上体を仰け反るようにして、竹刀を右手だけでもち、彼女の左から右へと振った木刀を避ける。そして右足をキックする感じで引き上げ、いまだ空中にいる彼女の腹に叩き込む。それから弧を描くように自分の上を飛んでいく。自分はけったときの力をそのまま使って体を1回転させる。そこで振り返り彼女を確認する
やはり魔法強化を受けた体でのある程度本気の蹴りではあったが、
狼族の丈夫な体を気絶させるにはまだ威力が足りなかったようだ。
それでも彼女は少しいたそうに腹を押さえる。
「すこしは・・・やるようね」
と彼女が言うので
「朝のお返し・・・?」
といってやるとすこし彼女の口角が上がった。
なぜだろうという考えをしている間に彼女は左手で突きを放つような感じで突っ込んできた、その突きのスピードは恐ろしく避けることは難しく外側に思いっきりの力を込めて払った。払った時の力を生かし彼女は体を反時計まわりに回転させ右手の木刀で俺の木刀を叩き付ける。真ん中に戻そうとしたした木刀はまた右側に向いてしまう。そこで彼女の回転を終えた感じで左手の木刀が1回転して帰ってきた。
防ぐことが出来ないととっさに判断し、うしろにジャンプするが惜しくも
左足の脛に一撃が当たってしまう。痛みを堪えながら、すこし体制を崩しながら着地をし追撃がこないか身構えるが、彼女は腹に食らったダメージがまだ残っているようだった。どうしようかと考えていると、それを遮るかのように
「そこまで!」
の声が聞こえた。その声の方もむくと黒髪の幼女がテディベア片手に彼女との中間地点に向けて手のひらを向けた形で静止していた。そしてその幼女は口を開く。
「ローズベル町のギルド会館長リーゼル・シフォンの名においてこの勝負!双方を合格とする!!!」
と言った。
え?この幼女いまギルド会館長っていった?え?まじで?
と混乱する俺を差し置いて回りは歓声を上げていた
どうも9話目となります!前回の獣人少女と共に最後現れたギルド会館長を
名乗る謎の幼女!次回は試験に合格するが条件を出された主人公の苦悩を描いてみたいと思います!
では誤字脱字等ありましたらぜひお願いします!!!!!!!!