表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ダンジョン少佐の兵站改革 〜最弱コアの少年を閣下と呼び、軍事知識で無敵の要塞都市を築城いたします〜』  作者: たい丸
【フェーズ2:ダンジョン都市化編】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/20

第20回:要塞都市(テオドール)の産声

工作員のリーダーは、床に這いつくばったまま絶望に染まった。彼が見上げた先には、かつての野盗とは思えない規律で整列する黒鉄の守備隊、そして冷徹な碧眼で自分を見下ろす銀髪の指揮官、レティシアがいた。

「貴公らの潜入は、数学的に決定された敗北です。この場所はもはや、貴公らが知る『魔物の巣穴』ではない」 レティシアの声は、冷たく、そして誇らしげに回廊に響く。

地上の「テオドール・グランド・テラス」では宿場町が賑わいを見せ、地下ではグリムロックの炉が火花を散らし、ロレッタの計算が都市の血流を制御している。セアラの影は、もはや恐怖ではなく、この地の安寧を保証する「盾」となっていた。

「レティシア、見て! ボクの魔力……街全体と繋がってるみたいだ。みんなの活気が、ボクを強くしてくれる」 テオが玉座の間でコアに手をかざすと、ダンジョン全域が柔らかな光に包まれた。

それは、単なる防衛拠点ではない。 軍事、経済、そして娯楽が高度に融合した、世界で唯一の自給自足型・要塞都市「テオドール」の完全なる誕生の瞬間であった。

「……お見事です、閣下。フェーズ2、これにて完遂。我々はついに、既存の国家に依存しない『独立した兵站圏』を手に入れました」 レティシアは深く一礼し、魔導ライフルを肩に預けた。

かつて軍から切り捨てられた少佐。 力のない最弱の魔王。 社会に居場所のなかった異才たち。 彼らが築き上げたこの理想郷は、今や周辺諸国が無視できない「巨大な特異点」へと成長を遂げたのである。

「さて、ロレッタ殿。平和な都市経営シムの時間はここまでです。……これほどの光を放てば、当然、それを『悪』と見なす者たちが現れます」

ロレッタは、外部監視モニターに映し出された「一筋の閃光」を指差した。それは軍勢でも、密偵でもない。ただ一人で、しかし軍隊をも凌駕する圧倒的な「正義」の輝きを放ちながら、こちらへ向かってくる存在。

「……計算外の変数が来たよ、少佐。確率論を無視し、運命を味方につける、物語上のバグ(不条理)……『勇者』のお出ましだ」

「……報告。聖剣の波動を確認。直線距離で、あと半刻。……光が強すぎて、影が焼けそうです」 セアラの警告に、場が緊張に包まれる。

レティシアは不敵に微笑み、テオの前に立った。 「勇者、ですか。……よろしい。我々の兵站が、神に選ばれし勇者の運命をも管理下に置けるのか……。検証して差し上げましょう」

物語は、神の代行者とのことわりを賭けた戦い、フェーズ3「勇者来襲編」へと加速する。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ