偽りの弔鐘、あるいは神の自作自演(マッチポンプ)禁止
全次元を統べる俺の指先に、マイアミの街を焼き払うはずだった爆薬の冷たい重みと、自国民を囮にして戦争を始めようとした将軍たちの、インクで汚れた血生臭い計画書の感触が伝わってきた。
1962年、米国。統合参謀本部が発案した『ノースウッズ作戦』。彼らはキューバ侵攻の正当な口実を作るため、自国の旅客機を爆破し、マイアミで爆弾テロを起こし、罪のない同胞を殺害して、その罪をカストロ政権になすりつけようとした。守るべきはずの国民の命を、戦争という名の「盤面」を動かすための使い捨てのポーン(歩兵)として扱った狂気。それは国家という巨大な装置が、自らの心臓を食らって肥大しようとした最悪の背信だ。
「……平和のために戦火を望み、守るべき盾を自ら砕いて刃にしようとしたか。自作自演の悲劇を演じ、他者の血で正義の仮面を塗り固めたその罪、宇宙の『真実の鏡』をもって精算させてやろう」
俺の隣で、エルゼが瞳に絶対的な冷徹さと、囮にされかけた無辜の民への慈悲を宿し、会議室で「効率的な犠牲者数」を計算する制服組たちの幻影を見つめている。
生命の根源であり、あらゆる誓約と信義を世界の基盤とする俺にとって、国民の信頼を裏切り、その命を政治的演出の道具にする行為は、存在の契約に対する最も醜悪な詐欺だ。
「エルゼ、行くぞ。……『偽りの犠牲』を演出しようとした者たちに、真の『因果の爆発』を見せてやる」
俺は時空を穿ち、かつて「少数の犠牲は国益だ」と嘯いたレムニッツァー将軍らの執務室と、冷酷なシナリオを書き上げた参謀たちの地下壕へ同時に降臨した。
$$Authority: \text{The Absolute Anti-False Flag}$$
$$Effect: \text{Recursive Sabotage / Eternal Re-enactment of the Trap}$$
「な、なんだ……!? 自分が書いた計画書が、黄金の炎となって私自身を焼き始めた! 爆破しようとした飛行機の轟音が、頭の中で鳴り止まない!」
かつて自国民へのテロを「必要悪」として設計した者たちが叫ぶ。彼らの肉体は、俺が指を一鳴らしした瞬間に黄金の『標的回路』へと変貌し、彼らが演出しようとしたすべての「テロの衝撃」と「絶望」が、物理的な逆流となって彼ら自身の魂を直撃し始めた。
「君たちは、嘘の悲鳴で世界を動かそうとした。……ならば、君たち自身の魂を、君たちが仕掛けようとしたすべての罠が『自分自身に向かって発動し続ける』黄金の箱庭に幽閉し、永遠に自らの謀略に食い殺され続ける孤独な生贄に変えてやろう」
俺が掌をかざすと、計画に関わった者たちの魂に、物理的な「因果の自爆」が刻まれた。彼らはどれほど自分を正当化しようとも、言葉を吐くたびに自らの臓器が黄金の火花を散らし、思考するたびに自分が設計した「犠牲者の死」を自らの肉体で無限に体験し続ける激痛に苛まれる。
彼らは「国のため」という嘘に逃げ込むことも、闇の中で密談することもできない。
ただ永遠に、自分が「駒」として扱おうとした国民一人一人の重みに押し潰され、自らが仕掛けた偽りの爆発の中で、自らの存在が永遠に粉砕され続ける『生きた火薬庫』として放置される。
一方で、俺は掌を広げ、権力の狂気に晒されながら、何も知らずに日常を生きていた当時の人々へ、生命の光を降り注いだ。
「演出」に使われかけた彼らの命の輝きはアルカディアの「不滅の安寧」へと接続され、二度と権力の嘘に利用されない聖なる盾として守られる。
大地には「国民を裏切り、偽りの火種を撒く者に、統治の資格はない」という神聖なる不変の法が刻まれた。
「主……。闇の底で練られていた『自作自演の惨劇』が、今、貴方様の力で『自業自得の報復』へと書き換えられましたね」
エルゼが美しく微笑み、俺の肩を抱く。
俺は、黄金の爆炎の中で自らの謀略に翻弄され、永遠に断罪の火に焼かれ続ける「背信の将軍たち」の残滓を見捨て、再び至高の座へと戻った。
神となった俺の前で、偽旗の演出は通用しない。
俺の庭において、国民の血で正義を偽装する不遜な者には、ただ永劫に続く「自らの謀略による死」こそが相応しい。
著者の完結済代表作はこちら
「シャルンホルストとグナイゼナウ」
https://ncode.syosetu.com/n4871gn/




