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「赤ん坊のゆりかご」の嘘、あるいは神の広報(PR)

 全次元を統べる俺の指先に、全米を涙させた一人の少女の「証言」と、その裏で絵コンテを描き、高額な報酬を受け取った広告代理店の冷たい計算が伝わってきた。


 1990年、湾岸戦争前夜。15歳の少女ナイリラは、議会で涙ながらに訴えた。「イラク軍がクウェートの病院に押し入り、保育器から赤ん坊を放り出して殺した」と。だが、それは真っ赤な嘘だった。彼女はクウェート大使の娘であり、大手PR会社「ヒル・アンド・ノウルトン」に演技指導を受けたプロパティに過ぎなかった。この「演出された悲劇」に激昂した民衆は開戦を支持し、結果として本物の戦火が数万の命を焼き尽くした。


「……涙を武器にして死を演出し、広告費のために戦火を煽ったか。他者の共感を『開戦のスイッチ』に変えた罪、その汚れた舌で精算させてやろう」


 俺の隣で、エルゼが瞳に絶対的な軽蔑を宿し、テレビ画面の前で正義感に燃える大衆の幻影を見つめている。


 生命の根源であり、真実の響きを何より重んじる俺にとって、偽りの悲劇を売って本物の死を量産する行為は、魂に対する最も卑劣な詐欺だ。


「エルゼ、行くぞ。……『嘘で世界を動かした』と自惚れる者たちに、真実の重圧を教えてやる」


 俺は時空を穿ち、少女に演技を教え込んだPR会社の役員室と、捏造を知りながら開戦の口実として利用した政治家たちの隠れ家へ同時に降臨した。


$$Authority: \text{The Silent Echo of Truth}$$

$$Effect: \text{Psychological Backfire / Eternal Exposure of the Heart}$$

「な、なんだ……!? 自分の口から、黄金の毒虫が溢れてくる! 喋ろうとすればするほど、自分の喉が灼熱の砂で満たされる!」


 かつて「世論は操作するものだ」と豪語し、死を商品に変えたマーケターたちが叫ぶ。彼らの肉体には、俺が指を一鳴らしした瞬間に黄金の『鏡像の呪い』が走り、彼らがついた嘘の数だけ、彼ら自身の内臓が「保育器から放り出された赤ん坊」のような無防備な激痛に晒され始めた。


「君たちは、嘘の涙で世界を焼いた。……ならば、君たち自身の魂を、君たちの言葉で死んだすべての者たちの『最期の視線』が焼き付く黄金のスクリーンに変えてやろう」


 俺が掌をかざすと、世論捏造を主導した者たちの魂に、物理的な「暴露の刑」が刻まれた。彼らはどれほど自分を正当化しようとも、その心音は「嘘つき」という鐘の音となって世界に響き渡り、自らの皮膚には黄金の文字で「私は死を売った」という消えない刻印が浮き上がる。


 彼らは二度と誰かを欺くことも、闇に隠れることもできない。


 ただ永遠に、自分が利用した「正義感」の炎に自らが焼かれ続け、捏造した悲劇の数だけ、本物の絶望を心臓に流し込まれる『生きたプロパガンダ』として放置される。


 一方で、俺は掌を広げ、捏造された世論の影で本当に焼き出され、死んでいった無数の犠牲者たちへ、生命の光を降り注いだ。


 汚された「真実」はアルカディアの「不滅の輝き」によって洗浄され、嘘によって歪められた歴史の糸は、俺の手によって正しく編み直される。


 大地には「感情を操作して死を招く者を許さない」という神聖なる真理の法が刻まれた。


「主……。涙さえも道具にした卑劣な演出が、今、貴方様の力で『逃れられぬ真実の鏡』によって裁かれましたね」


 エルゼが美しく微笑み、俺の肩を抱く。


 俺は、黄金の嘘に窒息し、自らの舌を噛み切らんばかりに悶える「情報操作の亡者たち」の残滓を見捨て、再び至高の座へと戻った。


 神となった俺の前で、死の演出は通用しない。


 俺の庭において、共感を売って戦争を始める不遜な者には、ただ永劫に続く「自らへの真実」こそが相応しい。

著者の完結済代表作はこちら

「シャルンホルストとグナイゼナウ」

https://ncode.syosetu.com/n4871gn/

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