わけがわからないよ!
本日3戦目
朝の支度をしているとき。その変化は急に訪れた。
(な、なに!?)
(どうなってるの?!)
私たちはパニックになりながらユミルンの姿であわあわしている。
「いったいこれは・・・。」
「大丈夫!?ライムちゃん!」
周りで私たちの変化に驚いているルーナたちも、けれども私たちの変化がどういったものかわからず、心配しつつ近寄れないでいた。
今、私たちの体は薄く光り輝いているのだ。
この前のご飯がおいしすぎて漏れ出た魔力とは違い、なんかこう、体の内から光っているような。
それに輝き具合も虹色のきれいな輝きで、神秘的な力を秘めているように感じられた。
(ど、どうすれば。)
(いや、でも私たちが何かしているわけじゃないし。)
あれこれ考えている間にも私たちの内から放たれている光はどんどんその強さを増していく。
(なんか熱くない!?)
(しかもなんか力が湧いてきてる!)
そして不意に力が抜け、ユミルンの形状を保てなくなった私たちは、元のスライム状態になってしまった。
みんなが息をのんで見守る中、唐突にその変化は終息し、そして。
(体が・・・ピンク色になってる?)
私たちの体の色が青色からピンク色になった。
「ラ、ライム?大丈夫ですか?」
ルーナの声を聞いてとりあえずユミルン形態に戻った私たちは何とも言えない表情を作りながら戸惑いつつもOKサインを出す。
「そうですか。それはよかったのですが・・・いったいどうなっているのでしょうか。」
ルーナの疑問はこの場にいる全員の疑問であったが、誰もその答えを持ち合わせていないようだった。
私たちは心当たりがないか頭を巡らせてみるが、急にこんな変化をもたらすようなことをした覚えはなく、頭を抱える。
(・・・うん?)
私は視界の隅に何かが見えた気がした。
いや、正確には何かがぼやけて見えるような気がしたのだ。
私は目をぱちくりさせるように視界を閉じたり開いたりする。
(どうしたの?)
(今何か・・・見えた気が・・・お!?)
しばらくぱちくりして目を凝らしてみると、急に視界いっぱいに文字が広がった気がした。
いや、文字が見えているわけではない。頭に浮かんでいるといった正確だ。けれどそれが目の前にあるように鮮明に浮かぶもので、ついつい目の前にあるように錯覚してしまったのだ。
(これは・・・ステータス?)
それはまごうことなき私たちの身体情報、ステータスだった。
名称:希・美景
愛称:ライム
種族名:ピンクスライム
レベル:1
戦闘経験数:12回
勝利数:12回
戦闘貢献度:30%
各種ステータス
筋力:×(硬度:5 軟度:150)
敏捷:測定不能
知能:測定不能
魔力:200
精神力:500
抵抗力:20
運:測定不能
耐性
火:虚弱
水:回復
氷:虚弱
電気:無効
風:弱
闇:無効
光:回復
斬:強
打:弱
刺:無効
特殊能力
【変形】【特殊発声】【誘惑】【特殊移動】【五感再現:中】【ステータス化】【特殊変形】【変形固定】【体色変更】【改変】【???】
((な、なんじゃこりゃー!))
私たちは珍しくまったく同じ言葉使いできれいにハモったのあった。
私たちが自分の変化に驚いていると、それが思わず顔に出ていたのか、周りは少し心配するようにこちらを窺ってくる。
「やっぱり何かあった?」
レナの質問にどう答えたか迷う私たち。
(え?これって素直に説明していいものなのかな?)
(そもそも伝わるの?)
こんなゲームみたいな表記が表れているなんて言っても理解してくれないんじゃないだろうか。それにこのことを説明すること自体大丈夫なのか非常に困った。
なにせ、今までの道中で一度たりともレベルだとかステータスだとかの言葉を聞いたことがなかったからだ。
これが常識にもなっている能力ならルーナが知らないわけないし、効率を求めたり研究するタイプのルーナがこの話をしないわけがない。
ステータスなんてものが見えるのなら逐一私の成長具合を確かめたりすると思うし。
それに私たちが変化してからこんなものが見えるようになった。ということはこれが普通の人間には見えないものであることだと思う。
まさか、転生者や転移者ならこれを見られる?
でも人間はこんないきなり変化するものじゃないと思うし、それなら赤木たちはこれを知らない?
大きな変化に振り回されている私たちはとりあえず何でもないということでレナに首を横に振ってこたえ、ルーナのカバンの中に入る。




