↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/22

第3話 存在

春。


朔は中学生になった。


玄関を出ると、ランドセルを背負っためぐが待っていた。


めぐ「朔にぃ、行こ!」


朔「どこに」


めぐ「学校」


朔「俺、中学生」


めぐ「知ってるよ?」


朔「学校、別だろ」


めぐ「……あ」


朔「今気づいたのかよ」


めぐ「途中まで!」


朔「方向逆」


めぐ「じゃあ、途中の途中まで」


朔「どこだよ、それ」


めぐは家の前を指さした。


めぐ「ここ!」


朔「一歩も進んでねぇじゃん」


めぐ「じゃあ、ここまで一緒!」


朔「はいはい」


めぐ「帰りは待ってるね」


朔「待たなくていいよ」


めぐ「えー」


朔「ほら、遅刻するぞ」


めぐ「はーい。いってらっしゃい!」


朔「おう。いってらっしゃい」


二人は反対方向へ歩き出した。


朔「……」


静かだった。


隣から聞こえていた声がない。


朔「……あいつ、朝からうるさかったんだな」


ただ静かになっただけ。


そう思っていた。


放課後。


朔が家の前まで帰ってくると、隣の家からめぐが飛び出してきた。


めぐ「あ! 朔にぃ!」


朔「待つなって言っただろ」


めぐ「今日ね、学校でね!」


朔「もう話すの?」


めぐ「それでね――」


朔「聞いてねぇし」


めぐ「今日ね!」


朔「……はいはい」


朝から聞こえなかった声が、また隣に戻ってくる。


めぐ「朔にぃ、聞いてる?」


朔「聞いてるよ」


めぐ「ほんと?」


朔「うん」


めぐ「じゃあね――」


朔「まだあんの?」


めぐ「ある!」


朔「……そっか」


やっぱり。


こっちのほうが、いつも通りだった。


NEXT…


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。