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第17話 蝕む毒

食事を終えた二人が、店を出る。


少し先に、朔がいた。


まるで今、偶然通りかかったような顔で。


めぐ「朔にぃ?」


朔「偶然」


偶然なわけがない。


さっきまで、同じ店にいたのだから。


隣にいた男が、朔を見る。


蒼弥「久世?」


その声に、朔の目が止まった。


高校時代。


めぐの近くにいた男。


何度か名前を聞いた。


一度だけ、足も引っかけた。


田中蒼弥。


朔「……田中」


蒼弥「覚えてたんだ」


忘れるわけがない。


そうちゃん。


あの田中が。


いつの間にか、そうちゃんになっていた。


三人で歩き出す。


朔は当然のように、めぐの隣を歩いた。


蒼弥とめぐは、さっきの話の続きをしている。


時々、笑う。


朔は黙って聞いていた。


高校を卒業してからも。


二人はずっと連絡を取っていたらしい。


知らなかった。


何度も会って。


何度もこうして食事をして。


自分の知らないめぐを、田中は知っている。


それが。


思っていたより、ずっと気に入らなかった。


分かれ道。


蒼弥「じゃあ、めぐ。また連絡する」


めぐ「うん。そうちゃんも気をつけてね」


手を振るめぐの隣で。


朔は黙っていた。


田中が見えなくなっても。


耳に残っている。


そうちゃん。


朔「…………」


どうやら朔には。


思ったより、深くまで毒が回ったらしい。


NEXT…

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