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第15話 進まない思考

翌朝。


めぐ「…………」


鏡を見る。


昨日のことを思い出した。


近づいてきた顔。


何度も重なった唇。


めぐ「……最悪」


顔が熱い。


めぐ「忘れよ」


忘れられるわけがない。


仕事へ向かう。


エレベーターの前に、朔がいた。


めぐ「…………」


朔「おはよ」


めぐ「…………」


朔「無視?」


めぐ「……おはよう」


朔「ん」


めぐ「…………」


普通だ。


昨日、あんなことをしたくせに。


朔「なに」


めぐ「……ほっぺ」


少し赤い。


朔「誰かさんに叩かれた」


めぐ「自業自得でしょ」


朔「そうだね」


めぐ「…………」


朔「まだ怒ってる?」


めぐ「怒ってる」


朔「そ」


少し嬉しそうに、朔が笑う。


めぐ「……なに笑ってるの」


朔「別に」


めぐ「怒ってるんだけど!」


朔「可愛い」


めぐ「…………は?」


朔「その顔も」


めぐ「なにそれ!」


朔「はは」


めぐ「……もういい!」


ちょうどエレベーターが来た。


めぐ「行ってきます!」


朔「いってらっしゃい」


扉が閉まる。


めぐ「…………」


壁に背中を預ける。


嫌いになろうとしたのに。


昨日からずっと。


頭から離れない。


めぐ「……なんで?」


答えは、まだ分からなかった。


NEXT…

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