面会録Ⅲ
「とても嬉しいですよ。こうして女神にお会いすることができて」
「ええ。こうしていつもとは違う人とお話できるのはとても嬉しいわ」
「ここまで来るのには随分時間がかかりましたよ。もちろんお金も」
「そんなに貢がれても返せるものがないわ。アタシは見ての通りの籠の中の鳥なのよ」
「でも、僕たちのカナリアでした」
「あら、アタシは人柱だったのかしら」
「いえ、そんなことはありません。僕たちは、あなたというカナリアの声を再び聞くためにここに来たのですから」
「・・・度々ごめんなさいねえ。アタシってあなた達に会ったことがあったかしら」
「謝らないでください。直接的にお会いしたことはありませんから」
「ふーん。そうなのね。それで、今日は何をしに来たのかしら」
「あなたに一言ご挨拶を。それと、当然ではありますが、あなたを盗みだそうかと」
「・・・ふふ。面白いことを言うわね。あたしのお値打ちはそんなに高いモノかしら」
「プライスレスですよ。だからこそ盗み出すのにふさわしい」
「ねえ。教えてほしいのだけれど王子様。あなたのお名前は?」
「【博聞】といいます。それと、私達は王子様などではありませんよ。海賊です」
「海賊?こんな水もない地下室に?」
「ええ。こんな水もない場所でも、あなたが僕たちに水をくれた。そこを泳ぎながら僕たちは動くことができますから」
「・・・ふーん。気に入ったわ。それで、どうやって盗み出してくれるの?当然だけど、私の大事な大事な娘と男の子が許さないと思うのだけれど」
「安心してください。天使は今、【極彩色】がお相手をしていますから」
「いいわね、あなた達。それじゃあもう一つお願いしてもいい?
「なんなりと」
「アタシ【些末な天使】がほしいのよ」
「・・・もちろん。おまかせください」




