第五章 忍と学園祭2
◇高峰 想次◇
放課後鷹目ラーメンに向かう途中の路地でかなり典型的なシチュエーションが繰り広げられていた
あからさまにガラの悪い不良っぽい学生二人が女子高生を囲んでいた
(不良A)
「よーよー、かわいい嬢ちゃん、俺達と楽しいことしようぜ」
(不良B)
「前と後ろで天国へ飛ぶほど気持ちよくしてやるぜ」
(女子高生)
「いや…、いや…、許して…」
(楓)
「うわ、なにあれ、樹何かよりよっぽど下種いわね」
(樹)
「こどいこと言うな、少なくても俺は女の子を泣かすようなことはしないぜ」
(今日子)
「それよりあの娘私たちの後輩じゃないの?」
確かに女子高生は桜ヶ丘高校の制服を着ていてその帯の色は一年生であることを示していた
(想次)
「ほんとだ」
そう言ってる間不良達はこっちを見ていた
って声を潜めてるわけじゃないんだし不良以外にも気づいてくれないかな?
(不良A)
「よーよーそこの姉ちゃんよー、さっきなんて言ってたんだ、もう一度言ってみろよ」
(楓)
「あら聞こえなかった、樹なんかよりよっぽど下種いやつらだって言ってるのよ!」
楓のやつが殊更声を張り上げて言ってやがる
俺と同じようなこと考えてねえか?
(不良B)
「おおひでえ、ひでえこと言うもんだから俺の繊細な心は傷ついちまったぜ」
(不良B)
「慰謝料として姉ちゃんの体でたっぷりと慰めてもらわねえとな」
(楓)
「いったいどの口で繊細だなんてほざいてるのよ!」
(今日子)
「うわ、キモ」
(不良B)
「なんだと、そんな口きけねえようにたっぷりと泣かしてやるぜ」
(不良A)
「男どもはケガしたくなかったらとっとと消えな、俺達にはそんな趣味はねえからな、ひゃっはっは」
(忍)
「お兄さん、こういうのはやっつけていいよね?」
(想次)
「あー、殺したらさすがにまずいから半殺しにしといてくれ」
(忍)
「了解」
(不良A)
「なんだてめえら、やる気か」
(想次)
「先輩としては後輩を助けないとね」
(樹)
「それにここできかっこつけないと男じゃないしね」
(忍)
「私、こいつら嫌い」
(楓)
「ボッコボコにしてやるわよ」
そこへ帽子とジャケットを着た俺達と同じ才くらいの少年がやってきた
少年は一通り回りを見渡すと
(少年)
「どういう状況か話してもらえませんか」
と聞いてきた
狙い通り
このためにわざわざ声を潜めずに話してたんだからな
楓も”計画通り”と言わんばかりの笑顔で笑っていた
(想次)
「状況はべたべたに簡単なことだけどな」
(想次)
「そこのがたがた震えてる俺達の後輩に見た目通りの最低人間二人が絡んでいたから助けてたところ」
(少年)
「後輩?」
俺は楓と後輩を指さして言う
(想次)
「制服同じ」
(少年)
「なるほど」
(???)
「なるほどねー」
いきなり声をかけてきたのはいつの間にやらかやってきた少年と同じ帽子とジャケットを着た凛々しいお姉さんだった
(想次)
「あなたは?」
(???→遥)
「私?、私は桜ヶ丘自警団の皆岸 遥よ」
(遥)
「ようはそこの最低人間二人を制圧すればいいだけね」
(少年)
「折ってもいいですか?」
(遥)
「こんなやつらに治療費だすなんて勿体無いからケガさせないように落としちゃって」
(少年)
「わかりました」
(不良A)
「なんだなんだてめえら、ゴキブリみてえにうじゃうじゃ増えくさりりやがって」
(不良B)
「最低人間なんて言いやがってよ」
(遥)
「あら、ゴキブリに例えたらゴキブリに失礼なくらいの最低人間じゃないの」
(楓)
「ほんとよねー、むしろこんな化石みたいなのがまだいたことに感心するわ」
(不良B)
「なんだと、このババアどもくたばりやがれ」
(不良A)
「てめえらみんなまとめて叩きのめしてやる」
(遥)
「ババア…」
(楓)
「ども…」
ピシリと何かにヒビが入った音が聞こえたような
あの…、楓、それに皆岸さん、こめかみに青筋立ってませんか?
それはともかくとして、不良Aが素手で不良Bがナイフを取り出して襲い掛かってきたが、少年と忍が割って入って少年は不良Bの右手を蹴ってナイフを飛ばしそのまま後ろの回り込んでチョークスリーパーを決める
忍は不良Aの懐に潜り込み右拳を突き上げて不良Aのアゴに叩き込む
不良Aはアゴを殴られたダメージと勢いで倒れる
(想次)
「これで大丈夫かな」
(忍)
「敵が倒れた時に頭を打ったかどうかわからないから不明」
(遥)
「私としては確保してからこいつらにたっぷりと聞きたいことがあるんだけどね」
(楓)
「そうね~」
不良達よりこいつらの方がよっぽどこえーよ
誤字・脱字の類があれば遠慮なく指摘してください(恥をかいてることを知らない無知より指摘される一時の恥を選びます)




