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侵略者系魔女の侵略ライフ ~地球を侵略しにきた魔女とそんな魔女に姉と呼ばせる中学生のやりたい放題生配信~  作者: 龍翠
第五話

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戦闘機で遊ぼう!


   ・・・・・


「応答してくれ! 本部! おい!」


 戦闘機に乗るケインは、そう何度も叫んでいた。

 つい先ほどまでは逐一状況が報告されていたのに、突然途絶えてしまった。仲間たちからも困惑の声が聞こえてくる。今、応答があるのは共に飛ぶ仲間たちだけだ。


「ケイン! どうする!?」

「隊長はお前だ! お前の判断に従う!」


 そんな仲間たちの声。ケインはゆっくりと息を吸って、吐いて……。そしてきっと前を睨み付けた。今更止めることはできない、と。


「攻撃の命令は下ったんだ! やるぞ!」

「了解!」


 そして戦闘機の一軍はまっすぐに島へと向かう。

 向かう。

 向かう……。


「お、おい……。いくらなんでも、遠すぎないか?」

「おかしい……。すでに標的が見えているはずなのに……」

「な、なあ……。計器がおかしくなってないか……?」


 真っ直ぐに向かっているはずなのに、侵略者が作ったという例の島が見えてこない。それどころか、よくよく見れば、なぜかあらゆる計器が微動だにしていないような気がする。

 そのことに、なぜかケインたちは気づけなかった。微動だにしない、なんてあり得ないはずなのに。

 全員が恐怖を覚えたところで、それを見た。見てしまった。


「ようこそ。歓迎する」


 巨人が、水平線の向こうから突然現れた。あまりにも大きな巨人。空を覆うほどの人間。いや、侵略者のニュクスだ。まさか、侵略者は巨大化までできたのか。


「一応言っておくけど」


 侵略者はどこか呆れたような声で言う。


「私が巨大化したわけではない。あなたたちが、小さくなっている」

「は……?」

「小さくしておもちゃにした」

「…………」


 意味が、分からなかった。この侵略者は何を言っているのだろう。


「小さくしたおもちゃにあなたたちが乗っている、という状態だ。その上で言うが……」


 巨大な侵略者が、端から端までゆっくりと見渡す。その視界に全ての戦闘機がいるのだろう。その事実に恐怖を覚えてしまう。


「おもちゃに乗る人間は、邪魔だな」

「ひっ……」


 誰かの短い悲鳴が聞こえてしまった。


「飛行機は、欲しい。いくつかは実際に乗る用として……。ほとんどは、小さいおもちゃにしておくので十分だ。そして例外なく、あなたたちはいらない」


 現在戦闘機に乗っている人間は、侵略者を攻撃しようとする者たちだ。侵略者の考えは妥当なものだと言える。邪魔だと言われた側はたまったものではないが。


「安心するといい。殺しはしない」


 その声に何人かが安堵して。


「そのまま出して、故郷に戻してやる」


 そしてその内容に、一部が喜ぶ、ケインを含む別の者たちは絶句した。

 そのまま。そのままと言った。

 侵略者が言うには、今のこの戦闘機は小さくなっているという。そして、その小さくなった戦闘機に乗っている自分たちも、当然小さくなっているはずだ。

 その小さい姿のまま、そのまま、放り出される。

 それは。それは、死ねと言っているのと大差ないのではないか?


「ま、待ってほしい! せめて! 体を戻してくれ!」


 ケインが慌ててそう言う。その言葉で、他の者も言葉の意味を理解したらしく、ケインに同調し始めた。お願いだから元に戻してくれと。

 侵略者はどこか面倒くさそうにため息をついて、そして言った。

 否、と。


「私はあなたたちを殺さない。だが、怒りを感じていないわけでもない。故に、あとはあなたたちの努力に任せる。精々あがくといい。まさか、人を殺そうとして狙っておいて、無罪放免で許されるとは思っていないだろう?」


 そう言って、侵略者は嗤った。


「それでは、さらばだ」


 侵略者が指を鳴らす。たったそれだけで、ケインたちの意識は刈り取られてしまった。




 ニュクスが作った島の砂浜。そこにたくさんの小さい飛行機が並べられた。


「おもちゃ!」


『無邪気!』

『あのぞわっとした笑顔を浮かべた侵略者様とは思えないw』

『実際のところ、あの人たちはどうしたの?』


「船に乗せておいた。あとは適当にやると思う」


 さすがに、本当に小さいまま放置する、なんてことはしない。だってそれをすれば、間違いなくお姉ちゃんに怒られるから。ニュクスもお姉ちゃんを怒らせたいわけじゃないのだ。

 だって。


「お姉ちゃん、怒ったら怖いから……」


『待って』

『何があったんだw』

『侵略者を怯えさせる姉がいると聞いて』


 夜中にこっそりプリンを食べた。翌朝にお姉ちゃんに怒られた。ただそれだけ。

 ただそれだけ、だけど……。三時間にわたる正座でのお説教は、ニュクスですら辛いものだった。自分が悪い、というのも分かっているので特に。


『お姉ちゃん最強説』

『マジですごいよあいつ』

『恐れを知らない女』


「んふ……。お姉ちゃんは、すごい。だから好き」


 自分を一切恐れない。そんな人は、今までほとんどいなかったから。

 機嫌良く鼻歌を歌いながら、ニュクスは小さい飛行機を亜空間に入れていく。たくさん手に入ったから、みんなで遊びたいと思う。実際に乗ってみるのもいいかもしれない。いつでも大きくできるから。ガストンにもいくつかあげよう。

 さて、と。飛行機を仕舞い終わったニュクスは立ち上がって、言った。


「最後の仕上げ、だね」


 また同じことがないように、釘を刺しておかないと。ニュクスは楽しそうにそう言って、その場から姿を消した。


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