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侵略者系魔女の侵略ライフ ~地球を侵略しにきた魔女とそんな魔女に姉と呼ばせる中学生のやりたい放題生配信~  作者: 龍翠
第四話

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エルフとみしみしおこな侵略者様


 次に向かったのは、広大な森。転移した先がもうすでに森の深い場所で、いわゆる原生林みたいな場所だった。周辺の木はとても太くて、木の根っこがあちこちから出てる。じめっとした森だ。


「ここにエルフがいるの?」

「そう」


『森に住む種族!』

『解釈一致!』

『めちゃくちゃ楽しみ』


 エルフ。定番の種族。私も楽しみ、だね。

 そうして、歩き出そうとしたところで。私の足下に矢が突き立った。


「うわ……!?」


 びっくりした! めちゃくちゃびっくりした!


「貴様ら! どこから来た!」


 どこからともなく、そんな声が聞こえてきた。反響しているような声で、どこにいるのかちょっと分からない。そして、怖い。


「今すぐに立ち去れ! さもなくば……」


 とても怖い。何がって、ニュクスが。額に青筋を浮かべてそうなほどに怒りかけてるニュクスが。


「あわわわわわ」


『死んだわあいつ』

『これ、多分ニュクスを狙っていたら、気概のあるやつだって喜ばれてたんじゃないかな』

『よりにもよってアヤカを狙うとか……』


 いきなり殺したりしないよね!? 大丈夫だよね!?


「貴様ら、聞いているの……ふぎゃ!?」


 いきなり誰かが落ちてきた。明るい金髪のお姉さん。身軽そうな緑色の衣服に身を包んだ人で、背には矢筒を背負ってる。


「な、なにが……。急に引っ張られたような……。ひっ!?」


 そんなお姉さんの目の前に、ニュクスが立った。なんか、殺気がすごい。


『カメラ越しでも怖いっぴ』

『殺気の寒気なのか、古すぎるネタの寒気なのか分からない』

『死んだんじゃないの~?』


 いきなり殺したりはしないはず。多分。きっと。


「な、なんなのよ、お前!」


 お姉さんが叫んで、ニュクスは静かに答えた。


「私はニュクス。支配者である」

「え」

「私に矢を向けたのなら、その勇気を称賛した。だが、あなたは私の協力者を狙った。不快である」

「あ、いえ……その……。ニュクス、様? あなたが……?」


 みしりと、何かが歪む音が聞こえたような気がした。


「ねねねねねえ!? 今なんかみしって聞こえなかった!? なんか、こう……。空間が歪むとかそんな音みたいなの! いや聞いたことないんだけど!」


『聞こえた聞こえた!』

『マジで怖い!』

『あばばばば』


 ニュクスがお姉さんの頭を掴んだ。お姉さんは顔が蒼白になってる。


「不快である。故に、し……」


 やばい、と思ったら、ニュクスがちらりとこっちを向いた。これは……。


「ニュクス」

「…………。是」


 やっぱり。ちゃんと私が言ったことを気にしてくれてるみたいだった。


「協力者が、許すと言っている。故に……今は見逃そう。次はない」

「は、はい! ありがとうございます!」


 ニュクスが手を離すと、お姉さんはこっちに駆け寄ってきた。私にしがみついて、


「ありがどう……!」

「うわきたなっ!?」


 涙と鼻水でべたべただ! 思わず突き飛ばしちゃった。


『おいwww』

『いや気持ちは分かるけどw』

『突き飛ばしてやるなよw』


 いやだって……。うわ、鼻水べったりついてる……。あとでちゃんと洗おう……。


「セリア! 勝手に飛び出して何を……」


 今度は男の人が出てきた。こちらも金髪だけど、髪は短く切り揃えてる。

 その人は突き飛ばされたまま泣いてるセリアと呼ばれた人と、ニュクスと、私、三人を順番に見て、最後にもう一度ニュクスを見た。そして何が起こったのかなんとなく察したらしい。


「申し訳ございませんでしたあああああ!」


 ジャンピング土下座なんて初めて見た、とだけ言っておく。




「このたびは、我が里の者がご迷惑をおかけして……。本当に、申し訳なく……!」

「…………」


 私たちは木造の家屋の中で、族長さんに頭を下げられていた。

 セリアさんとそのお父さんを名乗る人に案内されたのは、エルフの里。大きな木の上部分にたくさんの家があって、家と家をそのまま橋で繋げている、そんな里だった。エルフたちは基本的に木の上で暮らしているらしい。なんだかすごく……森の人だ。

 そんな里の、一番大きな家に通された私たちは、待ち構えていた族長を名乗る人に土下座されていた。


「ニュクス様のお連れの方に手を出すなどと……! あってはならないことでした! よくよく、言い聞かせますので……! なにとぞ、なにとぞご容赦いただきたく……!」


 それにしても……怯え方が尋常じゃない。今すぐ殺されると思っているような、そんな様子だ。


『必死過ぎてこっちが真顔になるレベル』

『いくらなんでもびびりすぎでは?』

『いや、思ったけど、エルフの族長ってことは長生きだろ?』


 ああ……。そういうことか。私もなんとなく分かった。この人、五百年前に生きていたんだ。そしてニュクスが何をしたのか、見ていた人。

 もちろん私は何をしたのか知らないけど……。多分、容赦がなかったんだと思う。

 ニュクスは小さくため息をついて、口を開いた。


「協力者が許している。故に、私も許す。だが次はない」

「ありがとうございます……!」


 その後はとんとん拍子というか……。ニュクスが言ったことを、族長さんは全て受け入れていくといった流れだった。

 地球に来るのはセリアさんとそのご家族、そしてもう数名。セリアさんは責任を取らされた形だったけど、むしろ逆に保護の意味合いもあったかも。里の中で大人たちに怒られて、すごく申し訳なさそうにしていたから。

 きっと、この里での立場は悪いものになる。だから地球で引き取ってしまおう。こんな流れだね。

 引き取る側の偉い人には何も言ってないけどね! ニュクスが決めちゃったからがんばってください!

 他にもいくつかの種族と交渉、という名の命令を終えて、私たちは地球に戻ることになった。


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