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侵略者系魔女の侵略ライフ ~地球を侵略しにきた魔女とそんな魔女に姉と呼ばせる中学生のやりたい放題生配信~  作者: 龍翠
第二話

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12/24

こっそり配信したい(願望)

 文ちゃんは目を丸くして驚いてるけど、受け入れてほしい。この子はとっても優しい、わりと普通の子です。そう。


「ちょっと魔法が使えてやろうと思えば世界を滅ぼせちゃうだけの普通の子です!」

「普通の意味は知ってます?」

「辛辣だあ」


 そんなことを言ってるけど、文ちゃんは苦笑いしてるだけ。この子もわりと図太いからね。いろいろと面倒な立場になってる私とまだ友だちでいてくれるぐらいには。


「ニュクス。この子は文ちゃん。私の後輩だよ」

「朝比奈文です。よろしくお願いします、ニュクスさん」

「うん。よろしくね、文」


 自己紹介は、これで終わり。二人とも、苦手意識は持ってないみたいだから一安心、かな?


「それで、先輩。どうしてわたしを呼んだんですか? しかもわたしの機材を持ってきて、なんて」

「うん。文ちゃんにお願いがあるんだよ。ダンジョン作りについて」

「ダンジョ……」


 あ、文ちゃんが固まってしまった。いやでも、ダンジョンを作ることは知ってるよね? 昨日、ニュクスが公言していたから。

 首相さんも認めた大事業だよ! 多分逆らえない的な意味だけど!


「えっと……。わたしに、何をしろと?」

「うん……。ちょっと来て」


 手招きして、文ちゃんをキッチンに連れていく。ニュクスは首を傾げていたけど、黙って見送ってくれた。


「正直、私にダンジョンの知識なんてないわけだよ」

「わたしにもないですよ。ゲームならともかく、リアルですよ?」

「うん。だから、巻き込もう。もういっそ開き直ろう」

「…………。まさか……。あの機材って……」

「配信しよう!」

「先輩……。頭、おかしくなっちゃいました?」


 後輩がすごく辛辣で先輩はとても悲しいです。いやでも、私は悪くないと思うんだよ。だって。


「このままじゃ、ニュクスが誤解されたままになっちゃうし」

「え?」

「ニュクス、わりと良い子だからね? いやまあ、方法はいろいろあれだったけど……。悪い子じゃないの。本当に」


 だって、ダンジョンとかも、遊びたいとかそんな理由だからね。魔法で遊べる場所を作る、みたいな感じだと思う。


「もっとみんなにニュクスを知ってもらいたい。きっと今頃、世界のいろんなところで、ニュクスへの対策会議とかやってるよ。そんなこと意味ないよ、良い子だよってアピールもしたいんだよ」

「はあ……。なるほど。先輩は相変わらずお人好しですね」

「相変わらず?」

「あはは。なんでもないです」


 文ちゃんはそう言って、なんだか機嫌良さそうに笑っていた。とりあえずは引き受けてくれるらしい。文ちゃんは配信に必要な機材をいろいろ持ってるから、頼りになる。


「ニュクスさんにはこのことは?」

「言わないよ。言ったらまた、あれをやるだろうし」

「ああ……」


 ニュクスのあのキャラ付けはなんなんだろうね。舐められないように、とかそんな理由はあるかもしれないけど……。いや、どうなんだろう。分からない。

 でも、多分配信をするって言ったら、まだあの妙なキャラ付けをするだろうし、やっぱり最初は内緒で、だね。


「ニュクスさんへの説明はお任せしますね」

「うん。撮影とかはお願い」

「はい!」


 そこまで相談したところで、ニュクスの待つリビングに戻る。残り少ないオレンジジュースをちびちびと飲んでいた。かわいい。


「戻ったよ」

「うん。それで、何をするの?」

「えっとね。これからダンジョン作りをするでしょ? よければその記録映像を残したいなって。ほら、えっと……。今後のために!」

「先輩、理由がめちゃくちゃあやふやです」


 そこ! 言わなくていいよ! 私も理由考えてなかったって気付いて慌ててるから!

 幸い、ニュクスは特に疑問に思わなかったみたい。そうなんだ、とそれだけだった。


「あのね、お姉ちゃん。一つだけ言ってもいい?」

「うん。どうしたの?」

「別に配信? ていうの、やってもいいよ。みんなに見てもらうってことだよね」

「…………」


 いや、うん。一分もせずにばれるのは予想外なんですが。


「えっと……」

「別に怒ったりもしないから。それに、えっと……。私のことを考えてくれて、だよね? 怒るわけないよ」

「…………」


 うん。とりあえず、あれだ。


「ほらほら文ちゃん! うちの子かわいいでしょ!?」

「これは……確かに……! かわいいです! 先輩、この子かわいいです!」

「ニュクスはかわいいなあ! なでなでしちゃう!」

「わたしもなでなでします!」

「なあ!?」


 逃げようとするニュクスを捕獲して、抱きしめてなでなでする。いやあ、ほんとかわいいよね!

 ニュクスはちょっと不満そうだけど、抵抗すれば私たちのことなんて簡単に振り払えるはず。つまり、そうしないってことは……。


「ニュクスも満更じゃないってことだよね! かわいいやつめ!」

「むううう!」


 あっはっは! 唸っても全然怖くない……あいたあ!?

 顔を真っ赤にしたニュクスに文ちゃんともどもわりと強めのチョップをくらいました……。ふふ、照れ隠しするニュクスもかわいかったです……。


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