第一話 才能なき少年
第一話 才能なき少年
この世界では、魔術の才能は十段階で評価される。
レベル1は稀代の天才。レベルが上がるほど才能は乏しくなり、レベル10は魔術師としての未来がないとまで言われていた。
そして、十歳の少年リオに告げられた評価は――レベル10だった。
「魔術の才能は皆無。魔術師になるのは諦めなさい」
魔術学院の教師にそう告げられ、周囲の子供たちは笑った。
「レベル10だってさ!」
「一生、火種ひとつ起こせないんじゃないか?」
リオは唇を噛んだ。
それでも、諦めるつもりはなかった。
「俺は……魔術師になる。いつか、誰かを守れるくらい強くなってやる」
その日の帰り道、リオは森の中で不思議な老人と出会った。
白い髭に古びたローブ。杖を片手に、巨大な魔物の死骸を眺めている。
老人はリオを見るなり、眉を上げた。
「ほう。魔術の才能がない子供か」
「……悪かったな」
「怒るな。事実を言ったまでだ」
リオが立ち去ろうとすると、老人は背中に声をかけた。
「お前、本当に強くなりたいのか?」
リオは振り返った。
「なりたい! 才能がないって言われても、俺は諦めたくないんだ!」
老人はしばらくリオを見つめ、やがて愉快そうに笑った。
「面白い。ならば、地獄を見せてやろう」
ーー彼こそ、かつて単独で魔王軍を撃退した伝説の大魔導師、ゼルガンドだった。
こうして、リオの人生を変える修行が始まった。




