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不貞の濡れ衣を着せられて婚約破棄されましたが、お陰様で素敵な恋人が出来ました。  作者: 宮崎裕子


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アンネマリーのひとりごと

久しぶりに家に帰ってきたら、お兄様が女性と楽しげにお茶をしていた。

あのお兄様が可憐な令嬢とお茶をする日が来るなんて、私は夢を見ているのだろうか?


この家の人間はお兄様が家族以外と親しくする女性は永遠に現れないと思って諦めていたのだ。


そこへ現れてくれた彼女の名前は、ステラ・アンダーソン。

私は彼女程愛らしい女性を見たことがなかった。

まるで妖精が舞い降りて来た様な繊細で華奢な見た目は触れたら消えてしまいそうに儚げで、円らな瞳にはどこか悲しげな色が混じっていた。


彼女と話して見ると、気さくで素直で見た目以上に魅力的だった。


私は直ぐにステラが好きになった。

何よりお兄様が彼女に嫌悪感を持たないなら、本物だ。


彼女は従兄弟のジュリアン兄様がここへ置いてほしいと連れてきたらしいが、ステラが時折見せる何かに怯える様な態度やあきらめたような物言いが少し気になった。

そして、その理由は直ぐに分かった。


ジュリアン兄様と彼女が出会ったキッカケになったのが理不尽に仕組まれた婚約破棄のせいだったと言う。


ステラのような女性を騙すなんて信じられなかった。


騙して婚約者にしたいって言うなら分かるけど、なぜ婚約破棄なのかしら?


でも、いろいろ聞けば聞くほどひどい婚約者の家だったみたいだから、ステラに取っては良かったのだろう。


ステラは折れてしまいそうに細くて華奢だ。

もともと細身だった彼女がその伯爵家に1年近く同居させられたせいでそこからまた痩せてしまったようだった。


今はお兄様が朝晩一緒に食事をしながら、彼女を肥らせようとしているらしい。

それを聞いた時も耳を疑った。

あのお兄様が1人の令嬢の為にそこまで時間を掛けて一緒に居ようとしている事が今までにない驚くべき事だった。


ジュリアン兄様はそこまでを予想してステラを連れて来たのかは、分からないけれど、これは最初で最後のチャンスかも知れない。


もしかしたらステラがこの公爵家の長年の憂いを拭い去ってくれる救世主かもしれない。


私は全力でこのチャンスをモノにするために頑張ってみようと思う。


お読み頂きありがとうございます。

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