まだあります。
「そうよ。第二関門がここなの。
ステラ様ここへ入って来て、最初に何を思った?」
またアンネマリー様が聞いてきます。
「えっと、何となくホッとしました。先程は色に圧倒されていたので、この部屋に入ってとても落ち着く事が出来ました。
多分、あのままお店でドレスを見せられても私は選ぶ事が出来ないと思います」
と感想を言うとまた2人が微笑んでいます。
「ね? どう? ガブリエル夫人
ステラ様は本物でしょう?」
とアンネマリー様がとても自慢げにいいます。私には何の事か分からないです。
「そうですね。 確かに素晴らしい。
ちゃんとご自分を持っていらっしゃるのね」
と夫人までが私の事をなぜか誉めている?
何の事だか分かりません。
私が怪訝そうな顔をしていたので、アンネマリー様がまたまた説明を始めます。
「ステラ様の言う通り、お店に入ってあの色とりどりの空間でドレスを選ぶ事はなかなかハードルが高いわ。
ここへ案内されて、ホッとする感覚は至って普通なの。
でも、お客の中にはお店の中ばかり派手にして、随分と手を抜いてるじゃないかって思う人もいるのよ。
見当違いにも気が付かず、わざわざ面と向かって嫌みを言う人までね」
と呆れた調子で言うアンネマリー様。
確かにここには調度品も限られた物しか置いていない。
けれど、すべてが一級品だし計算された作りになっているとアンネマリー様が教えてくれる。
「お客様はドレスをここへ選びに来られるのです。
部屋に余計な物を置けば邪魔になります。
それにお店を通って来た方はここへ入って頭をリセットして貰うのです」
そう説明するガブリエル夫人。
夫人曰く、お店を見ているうちに無意識に自分が気になる色や形が残り、それをここで落ち着いた時に思い出し、自分が欲しい物が明確になると言う。
「あなたは今何色が気になる?」
アンネマリー様が聞いてきました。
そしてガブリエル夫人が色見本を目の前に置きます。
あっ、この色いいな~。
置かれた無数の小さな布を見た瞬間目を止めた色見本があった。
「この色がいいです」
不思議だ、こんなにいっぱいある色の中ではっきりとこれって思える。
もっと迷うと思ったのに…
それを口にすると
「それがナンシーマジックよ」
ナンシーマジック?
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