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やっと服を着れたよ

「おはよう。ナキア。起きているか?」


 ナキアの部屋の前で呼びかけてみる。反応は無し。昨日のことがかなりショックみたいだ。こういう時の対応は全く分からないので放置することにした。触らぬ神に祟りなし。無理についてこさせることも無いだろう。ただでさえエルフで目立つのだから部屋でまってもらおう。


 俺はそのまま一階に降りた。俺たちが借りた宿は全部で三階建ての場所だ。エルフを泊めるといったときに宿主に変な目を向けられ、更に部屋を分けてほしいというと更に如何わしい目で見られ、めんどくさかったので金貨一枚を出すとそれ以降態度を一変させた。


 宿主はそれなりに年のいった人間だ。お金を払えばかなり融通が利くと思っているので今のところここを拠点にしていこうと思っている。俺は宿主に朝食を出してくれるように頼み、一人分多く払っておく。エルフの少女が下りてきた時に出してほしいと言っておいた。それと俺の今日の一日の予定も伝えてもらうように言っておく。


 さて、さっそく町にでる。まずは服屋だ。今日の一日の予定を伝えた時に宿主から大体の場所をきいておいた。見えてきた。赤色の屋根ですべて石でできている。周りの家々よりも少し目立っていて外からでも少し服が見える。


 店内は女性が多く、これでもない、これでもないと悩みながら選んでいる。店に入ると女性から奇異の目で見られた。多分男性はあまり利用しないのだろう。俺は下着から購入していく。とりあえず上下三枚ずつ、それとバックを二つを購入。


 あ…。さすがにナキアの分は買えないな…。今度買ってこさせよう。あいつが起きてないのが悪い。

 そのまま男性用の服の場所を探すことにする。しかしいくら探しても男性用の服が見つからない。


「すみません。男性用の服とかってありますか?」

「男性用の服ですね。少々お待ちください」


しばらくすると、店の奥から服を数着持ってきた。なんか少なくない?


「当店で扱っている服は今はこれくらいしかありません。

男性用の服は基本的に戦闘服や防具ですし、一般的に使う服も父親からの譲りものが大半なため需要がないのです。」


その他にも店主は理由を丁寧に教えてくれた。仕方が無いので今もってきてもらった服を全部買った。


「それと女性用のローブはありますか?ちょっとあそこへは入りずらいので」


 指を指した方向には女性用の服の方向だ。しかしそこには多くの女性陣がいる。男性の俺は行きづらい。


「分かりました。少々お待ちください。何色がよろしいでしょうか?

 あまり種類はありませんので。特殊な能力のついたローブは防具やに行った方があると思います」


 そうなのか。でも今回は機能を重視しなくてもいい。それに金を稼ぐ手段がまだない以上少しでも節約することも必要だろう。それで俺は白色のローブを持ってきてもらうように言う。


「これでよろしいでしょうか?」

「ああ。これでいい」


 ナキアのサイズだと思われるローブを購入する。店主は最後にたくさん買っていった俺にお辞儀をして俺は服屋を後にした。この服の購入でマンティコアの毛皮の分の金がなくなった。男性用の服が意外と高かった。


なので、残りの爪、尻尾、牙、骨などを売りに冒険者ギルドに顔を出すことにした。それに門番のお兄さんに仮通行証を渡さなくてはいけない。ナキア用のローブも買えてないし早く換金したいところだ。


しかしどうしようか。ここで身分証も一緒に作ろうか。商人をするつもりもないし、他の鍛治のようなクリエティブなことができるとも思えない。


まあやるならナキアも一緒に作ってしまいたい。めんどくさいからな。


そんなことを考えていると冒険者ギルドについた。冒険者ギルドの外見はとてもきれいだ。しかし人の往来が激しくボロボロで入っていくものや武装した集団が何やら真剣な顔で話しながら出ていったり、忙しいものだ。


建物には剣や盾、弓の矢など数多の武器が貼り付けられている。これが冒険者ギルドの証のようなものなのだろう。


さっそく中に入ってみる。あ、そういやもう服は着替えてある。勿体無いし、なんか俺からすると裸で歩き回っているように思えてならないからだ。


今の服装は軽い素材で出来た服で基本的に黒色など暗い色の服を着ている。長袖のシャツとズボン、少しいい素材なのは、貴族の服のために作った試作品だからだそうだ。まあ、変な色の服じゃなかったから良しとしよう。


 中に入ってみると、むせ返るような汗のにおいなどは無く、思ったよりも清潔だ。テーブルを囲む冒険者も節度はわきまえているようで、大声で笑ったりはするものの周りの迷惑を考えて動いているように思える。そういう協調性も冒険者には必要なのだろう。


 そのまま受付の人の元に向かっていく。受付をしているのは一人だけだ。この数を一人で捌いているのかと疑問を覚える。今は空いているのでラッキーと思いつつ近づく。その時俺をみてコソコソ話しているグループを見つけた。こういう悪意のこもった視線には敏感なのだ。


「今日はどのような都合ですか?」

「素材の売却に来ました。今から出しますので少し待ってください」

「…わかりました」


 俺はさっきまとめておいたバックの中からマンティコアの素材を取り出した。それを見て大きく目を見開いた。


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