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姉の教え其の三、人の話は最後まで聞くべし!(北鳳凰学園騒乱編)

 麗らかな五月の昼下がり。 誰もが足を止め休みたくなるような、そんな穏やかな日。



「ありがとうマネージャー、後の事はお願いね?」



そう言って、北凰学園の前で、華のある艶やかな笑顔を浮かべる少女。 美桜だ。


校門の前に停めた銀色のBMWの運転席からは、マネージャーと呼ばれた女性が、どことなく心配そうな顔をしている。



「昨日今日と警察やらなんやらで大変だったのに、やっぱり今日くらい休めば?」



昨日の暴漢騒ぎの一件だ。 警察の事情聴取、もとい後半からは警察方々のサイン&握手会。 しまいには一日署長まで押し付けられそうになったのを、何とかして抜け出して来たばかり。

マネージャーが心配するのも無理もない話である。



「だめ、だってここにスーパーミカンがいるんだもん」



美桜はそう言うと、うきうきしながら満面の笑みを見せた。 仕事疲れも微塵も感じさせないその笑みに、流石の敏腕マネージャーも黙って引き下がるしかない。


最近の美桜はマネージャーから見て、どこか冷めていて、昔ほど仕事に対しての情熱を感じられなくなっていた。 しかし、昨日の事件以来、どうも美桜の様子がおかしい。 勿論良い意味でだ。

突然素直になったかと思えば、学校に行きたいと言ったり、先程のような飛びっきりの笑顔まで見せてくれる。


美桜のマネージャーとして、学業より仕事を優先して欲しいのはやまやまなのだが、これが良い気分転換にでもなってくれればと、マネージャーも思っているのだろう。


BMWの運転席から、走り去ってゆく美桜に手を振る。


美桜がそれに気づき振り返ると、手を振り返しながら、再び校舎へと向かった。 まるでスキップをするかのように、その足取りは軽やかだった。




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