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ホワイトデー特別編2026(後編)

ホワイトデー特別編、後編です。

「美味しい!」


そう言いながらバウムクーヘンを頬張るのは俺の彼女である坂田 玲衣奈だ。


俺…西郷 慶太は今、2組のカップルと一緒にカフェでデートをしている。いわゆるトリプルデートってやつだ。


「だよね!選んでよかった!」


そう言って俺もバウムクーヘンを食べる。旨い!


このカフェでは今、ホワイトデーの特別メニューがある。


ホワイトデーで意味を持っているお菓子と飲み物のセットだ。


因みに俺達が食べているバウムクーヘンには、【幸せが続きますように】っていう意味がある。


駿太と梁瀬さんが食べているマカロンには【あなたは特別な存在】、洋介と由良川さんが食べているキャラメルソースがけパンケーキ…っていうか、キャラメルには【一緒にいると安心できる】って意味があるらしい。


逆に、マイナスな意味があるお菓子もあるらしいので、来年渡すときは気を付けないとな!


店から出ると、洋介が俺に話し掛けてきた。


「それで?慶太。その後の予定は決めてるの?」


「えっ…あっ。」


やべえ。何も考えてないや。そうだよな、カフェで食事だけがデートじゃないもんな…


「うん、だと思って俺が決めておいたよ。」


「洋介様…!ありがてぇ…!」


「次からはちゃんと考えておきなよ。坂田さんは慶太といれば満足だとは思うけど、なおさら楽しませてあげなくちゃ。」


「精進します。」


洋介の言葉に俺は頷く。次は玲衣奈が楽しめるプランを頑張って考えよう!


「俺には聞かないのかよ。」


「いや…だって、駿太達はお互い知り尽くしているし。」


そうだな。駿太と梁瀬さんは幼少期どころか赤ん坊の時からの付き合いだ。知らないところが無いんじゃないかってくらいお互いを知っている。


「と、言うわけで、次の目的地を発表するよ。」


そう言って、洋介はパンフレットを開いた。


どれどれ…あれ?ここって…


俺が口を開こうとする前に、由良川さんが洋介に聞いてきた。


「そこって…室内アスレチック?」


「の、中にあるリアル脱出ゲームだね。」


「リアル脱出ゲーム?」


「そう!部屋を探ってヒントを見つけて、そのヒントを活かして脱出するんだ。しかも、アスレチック要素も少しあるみたいだよ。」


由良川さんの疑問に洋介は答えていく。


「わ、私…大丈夫かな…?運動は苦手なんだけど…」


「大丈夫!俺がついているから!」


不安そうな玲衣奈を励ます。俺は運動に関しては割と出来る方なのだ。


玲衣奈はほっとした表情をする。可愛い。


「あ、ちなみに…この脱出ゲーム、廃病院がモチーフらしいよ。」


「えっ…」


洋介の言葉に俺は絶望した。俺はホラーが苦手なのだ。


「慶太…私がついてるから…!」


「れ、玲衣奈…」


さっきと逆転してしまった俺達を見て、皆は楽しそうに笑うのであった…



あ、脱出ゲームは面白かったよ。めちゃくちゃ怖かったけど。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「碧さん、はい、ホワイトデーのお返し。」


ホワイトデーの日、俺…三浦 海斗は恋人である増田 碧さんにお返しのマカロンをあげた。


「えっ…良いの?こんな高そうな…」


「高そうなって…俺が作ったやつだよ。」


碧さんはどうやら店の物と勘違いしたらしい。まあ、良い感じの紙袋だしな…


碧さんは驚いた表情を見せながら俺に話し掛ける。


「えっ…マカロンって作れるの…!?」


「作れるよ。難易度は高めだけど。」


「そ、そうなんだ…んっ!美味しい!すごい!天才!」


「天才はさすがに言いすぎだよ。でも、美味しいって言ってもらえて良かった。」


美味しく出来て良かった…!と思っていると、碧さんが少し気まずそうにしている。どうしたんだろう?


「ねえ海斗くん。」


「どうしたの?」


「…お菓子作り…教えて…?」


「い、良いけど…どうして?バレンタインのチョコ、美味しかったよ?」


「そう言ってくれるのは嬉しいけど!もっとしっかりしたのを作りたいの!」


あのトリュフチョコ、しっかりしていたと思うんだけどなあ…生チョコもデコレーションがおしゃれだったし…


でも…もっと良いのをあげたいって気持ち、今なら分かるな…よし!


「…うん、良いよ。一緒に作ろう!」


「本当!?やったーっ!!」


嬉しそうにはしゃぐ碧さんを見て、来年のホワイトデーはお菓子作りデートも楽しそうだなと思うのであった…



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



ホワイトデーの翌日、俺…宍戸 涼平は恋人の奥島 優子にアップルパイとキャンディーをあげた。


「…ありがとうございます。」


「な、何だよ。その反応…」


「いえ…まさか涼平くんがお菓子を作ってくるとは思わなかったので。」


確かにな…俺、基本的に色々不器用な方だしな。去年は買ってきたやつだったし。


優子はまじまじとアップルパイを見る。


「…食べて良いですか?」


「もちろん。感想聞かせて。」


俺がそう言うと、優子はアップルパイにかじりついた。…優子ってお嬢様のわりに結構ワイルドな食べ方するんだよな…


と、思っているとパイを頬張っている優子の目がキラキラと輝いた。


「…!美味しいです!」


「良かった…!公徳に教わった甲斐があった…!」


「大宅さんに教わったとはいえ、作ったのは涼平くんですから。涼平くんの功績でもありますよ。」


「それもそうだな。俺すげえ!」


「まあ、それはそれとして大宅さんにはお礼を言わないとですね。」


「そうだな。」


優子は黙々とパイを食べていると、もう一つのお菓子に目を付けた。


「あの…涼平くん、これは?」


「キャンディーだよ。意味は【あなたが好き】。」


「…」


「だ、黙るなよ…」


「…私も、キャンディーを差し上げたくなる気持ちになりました。」


「…そうかい。」


ついぶっきらぼうな返事をしてしまった。


もう付き合って一年以上なのに、いざ好きっていうと結構恥ずかしいな。まあ、優子が幸せそうなら良いか。


幸せそうにキャンディーを舐める優子を見て俺は思う。


(来年も頑張ろう…!)


そう俺は心に誓うのであった。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「凜々花、ほい。」


「福谷…何これ?」


「この前のお返し。」


「…ありがと。」


「旨かった。またくれ。」


「…わかった。今度は…余り物じゃないのをあげるね。」


「…お、おう…た、楽しみにしてる…」


「…今食べて良い?」


「…おう。」


「…美味しいね。このマドレーヌ。アップルパイも。」


「そいつは良かった。…また、来年も何か作るよ。…教えられながらだけど。…マドレーヌも添えて。」


「…うん、楽しみにしてる。」




おしまい

マドレーヌの意味は【あなたともっと親しくなりたい】です。

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