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入場者に「ありがとう」「ありがとう」と言い続けて、プロデューサーがやってきた。
「夢さん、そろそろ時間になります」
「えっ、もうそんな時間!?」
「はい、メイクを直して衣装の最終チェックのあとリハです」
私達のそんな会話を聞いていた人達から「え〜!!」と言われてしまう。
え〜!は私の方だよ!?
どうしたらいいのか分かんない。
結局全部中途半端になっちゃった。
「プロデューサー、5分くらい大丈夫か?」
「……ええ」
私がオロオロとしていると、京愛がプロデューサーに短く確認をとって蒼ちゃんを引き連れて私のところに来る。
なんやかんや言いつつも楽しそうだったし、汗も流してくれた。
そんな京愛が私は少し好きに慣れそうだった。
「最後に少しやるぞ!」
「おー」
ニヤッとカッコよく口を歪ませて私と蒼ちゃんの肩をグイッと抱えて、円陣を組むみたいに頭を突き合わせて京愛の立案を聞く。
蒼ちゃんはそれを聞いて無邪気に笑い、私は引きつった顔をしたと思う。
「今度は私のわがままを聞いてもらうぞ!」
「……はい」




