死闘 2
そうか・・・
そんなに楽しいか・・・
近づいてくる姿を睨み、誓う。
『なにがあろうと、死んでやらない』
冷静になれ・・
冷静になれ・・
相手は致命傷なんだ。
興奮状態から覚めれば、立っていることも難しい深手だ。
地面を転がり、這いずり回り距離を取る。
足に刺さる斧を目掛け、石を投げる。
傷口から血が漏れ、相手は苦痛に顔を歪める。
大きな声を上げ、相手の冷静さを奪う。
近くに1匹でも仲間がいたら、確実に死ぬだろう。
だが、こいつだけには絶対に殺されない。
「お前は馬鹿だ。勝ったと思っていたのか」
言葉が通じるかどうかなんて関係ない。
罵声を浴びせ、冷静さを奪う。
顔が怒りに変わり、鉈をこちらに振り下ろす。
泥の中を這いまわり、必死で距離をとる。
更に転がり、這いずり回る。
雨は更に強く降り、二人の視界を妨げる。
泥の中を転がり、無様によけ続ける、ただひたすらに。
『この息が止まるまで、最後の一息まで』
死に抗う、無様に転がり続ける。
這って石を投げる。
相手の表情は明らかに余裕がない。
勝利を確信し、手負いの相手が無様に逃げまわることを、
予想していなかったのか?
だとしたら、二流もいいところだ。
「お前は馬鹿だっ、糞野郎」
何でもいい、相手を冷静にさせず、叫び転がる。
他の手段を取られない様に、気づかれない様に。
這いずり回り、石を投げる。
勢いはないが、小さな痛みを積み上げる。
死角へ死角へと回り、石を投げ銃を探す。
「お前らが投げた石だ、どうだ痛いか」
罵倒の言葉なんて何でもいい、ただ死角に這い回り、転がり続ける。
「うぉぉぉぉおおおおおお」
あの緑の怪物が、冷静にならぬように。
ただ怒りに任せ叫ぶ。
背中に石と異なる感触が当たる。
這いずり、銃を掴む。
そして、照準をあわせ腹に撃ち込む。
ゆっくりと目の前で崩れ落ちる姿をみる。
あぁざまぁみろ・・
生き残るのは・・・ 俺だ・・




