覚悟を決めて 11
失敗だ。
もう、どうしようもない・・。
弛緩した仲間たちをみて、呆然と立ち尽くす。
狩りの失敗は初めてではない。
ただこの集落は、当面立て直しは効かないだろう。
死んだ仲間が多すぎたのだ。
そしてそれは、恐ろしい結果を生んだ。
その肉が『皆の腹を満たして』しまった。
倒れた者の肉を喰らい、そして次は臆病風に吹かれだした。
日を追うごとに、投石を行うものは少なくなった。
今は木々をまわり、僅かな木の実や草などを拾っている。
あの時、たった一つでも良い。
狩ることが出来ていたならば。
地を蹴り、怒りをぶつける。
そんなことをしても、何も変わらない。
このままでは、次の飢えで共食いも起こりかねない・・・
それを変える為には、たった一つ。
そう、たった一つの獲物さえあればよい。
この思いがわかるものは少ない。
恐らく、自分だけではないだろうか。
その緑の小さな頭には、考える力はないのだろうか。
仲間に毒ついたところで、何もかわらない。
自分も倒れた仲間の肉を喰らった。
自分ですら、腹の満たされる安心感に、取り込まれかけた。
それがわかるだけに、危ないのだ。
このままでは、次の飢えを乗り越えることが出来ない。
共食いの未来しか見えない。
地を叩くと周囲の者は恐れ逃げていく。
一際大きな体で生まれた自分は、常に皆を導いてきた。
今、その求心力は失われている。
巣の獲物はもう難しいだろう。
ただ、あの地面に逃げたものはどうか。
相当な痛手を負わせた。
狩りの鉄則を思い出す。
獲物は直に飢える。
巣穴から出てくる。
その時を狙えばどうか・・・。
自分たちの未来は、あの獲物にかかっている。
あれを仕留めなければ・・・。




