覚悟を決めて 3
夜の河原を歩き、周囲を見渡す。
水を飲みにきた獣を狙うが、最近はずっと見かけない。
仲間が増えすぎた。
以前は十人程の集まりであったが、今は数十人を超える。
食べるものが無くなれば、子供たちが飢えてしまう。
獣が作る巣を狙えば、食べ物が得られる。
稀に手強い者もいるが、小さなものは弱く、味も良い。
獣の肉は柔らかく、量も多い。
一族を守るには、早く食べるものが必要だ。
しかし、危険が伴う・・。
獣の必死な抵抗を思い出し、考えはまとまらない。
石を捲り、カニを探す。
今夜はこれで、腹をごまかすしかない。
そうして、取れたカニの腹を指でつぶすと、岩の上に置いておく。
数は期待できそうにない。
飢えるたび何度も繰り返してきたことだ。
以前は、森と暮らしていた。
いまよりずっと仲間の数は少なかった。
獣の数が減り始め、飢えたものが出始めた。
一部のものは、獣の巣をつくことを提案した。
危険な賭けだった。
巣の中に石を投げ続け、出てきたものを集団で囲んだ。
こちらの犠牲も多く、生き残れたのは幸運だったとしか言いようがない。
そうして、多くの食料を得た。
巣に戻ろうとする獣も狩り、それは十分な食料となった。
それが数を減らしたかと、いまさらに後悔する。
安全な場所を得たことにより、子が死ぬ数も減った。
やはり、仕方なかったのだろう。
もう、どうしようもないことだ。
やはり、もう一度繰り返すしかないのだろうか。
残された日は少ない。
冬が来るまでに、備蓄も必要だろう。
どこかで覚悟を決めなければならない。




