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123_閑話_黒崎と有沢

「おい!有沢!どういうつもりだ!テメェがウチの組から金借りたってのは本当か!!」


「あぁ、黒崎か。何食ってく?今日はいい魚が手に入ったんだ。」


「おい!聞いてんのか!なんだそのバカみたいに刺身が盛られた丼は!!一体いくらで売るつもりだ!!」


「あぁ、これか…そうだなぁ~。一杯500円くらいかな。」


「…これ、原価いくらだ?」


「えっと…マグロにカツオにタイにそれからイクラにウニ…多分2500くらいじゃないか。」


「ざっけんなよ!!そんなんでどうやって生活していくんだ!!」


「生活とかそんな事どうでもいいだろう。それよりたくさんの人に食べてもらう事が大事なんだ。だからお前も食ってけよ。」


「いらねぇよ!!胸糞ワリィ!!テメェんとこには高校生のガキもいるだろうが!その子はどうするんだ!!」


「確かにあの子には苦労を掛けているなぁ。でもたくさんの人にご飯を食べて貰えれば詩歌(しいか)だってきっと喜んでくれるはずだから。」


「詩歌さんは死んだんだ!!いい加減生きてる人間に「うるさいッ!!!!!!!!!!!」」


「有沢!!」


「うるさいッ!!お前に詩歌の何が分かるんだ!!アイツは俺に願ったんだ!!たくさんの人に美味しいモノを食べさせて欲しいと!!

俺はアイツに何もしてやれなかった!だからせめて…アイツの最後の願いだけは…」


「チッ!!もうテメェに何を言っても無駄みてぇだな。テメェは一生そうやって死人の為に飯でも作ってろ。テメェのガキは俺が保護しておいてやる。後で親権とか持ち出すんじゃねぇぞ、クソが!!」


………………


「ったく!胸糞ワリィ!!おっと、電話だな。こちら黒崎。どうした津田?」


『黒崎さん、有沢のガキですけど、500万用意出来ねぇって言ってやがりますけど、どうします?

軽く痛めつけて指の爪を2、3枚剥いでやれば言う事聞くと思いますけど。』


「バッ!余計な事すんじゃねぇ!!大体俺らが貸した額は100万だろうが!!今回は利息10万だ!!それ以上取ったら承知しねぇぞ!!」


『なに言ってるんですか?俺らが貸した額は1000万ですよ。証文にはそう書いてあります。実際に渡した額は覚えていませんけどね。』


「チッ!このチンピラが!!いいか!俺が行くまで絶対に手を出すな!!これは若頭命令だ!!」


『そいつは聞けねぇな。俺は今回のシノギであんたに変わって若頭になるんだからよぉ!!大体あんたのやり方は甘いんだ。そんなんだからウチの組は何時まで経ってもナメられるんだ。』


「津田…なんで俺に電話なんかした…」


『そりゃ、勝利宣言ですよ。『元』若頭。このガキ結構溜め込んでるみたいですし、まずはそれを搾り取って、その後に本命の土地だ。

『有沢食堂』でしたっけ。駅チカの一等地にあんなぼろっちい食堂があるなんて社会的損失だ。あんな食堂、ぶっ壊してセクシーな女性店員がおもてなしするバーでも建てた方がよっぽど儲かるってもんよ。

知り合いにはもう声掛けてますんでご心配なく。あんたは俺の出世を指をくわえて眺めていて下さい。それじゃ。』


プツッ!!………


「チッ!どいつもこいつも好き勝手しやがって!!津田の野郎のお気に入りは山側の廃工場だったか…間に合えよ。クソが!!」



…………


………………


……………………


「血の匂い!!なんだこりゃ…津田の…頭が…ない…」


……ブンッ!!!


「うわぁ!!なんだいきなり!!」


「チッ!!外しましたか。」


「テメェは…有沢のガキ!!なんなんだその右手のスコップは!!」


「あぁ、これですか。そこのヤクザの方が貸した1000万と利息500万寄越せとかわけの分からない事を言い出してきましたので。

頭の中身が気になりましたので、ちょっとこじ開けさせて貰いました。」


「…テメェが何をやったか分かってんのか!」


「はい。ただの正当防衛です。まぁ、あなたも殺すから関係のない話ですけど。」


「…俺の頭の中身を見ても何も面白くないぞ。それより取引をしないか?」


「取引…ですか?」


「あぁ、どうもウチの組の不手際でテメェには迷惑を掛けたみたいだ。

有沢に貸した金は100万だったな。今それは持っているか?」


「はい、どうせ利息も要求されるでしょうから150万持ってきました。」


「よし、じゃあ元本の100万だけこっちに寄越せ。利息は迷惑料代わりにサービスしておいてやる。

それからこの死体を埋めるのも手伝ってやる。流石に一人で5人分はキツイだろう。」


「何が狙いですか?」


「別に。自分の命が惜しいだけだ。ここでテメェと事を構えても死ぬのは俺だからな。」


「いいでしょう。ただし、余計な事をすれば…」


「分かってる。時間が惜しい。さっさと片づけるぞ。」


……すまねぇ、有沢。すまねぇ、詩歌さん。どうやら俺は間に合わなかったみたいだ。




…………


………………


「グワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァアアアァアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!

ハッ!!!またこの夢か!あのガキ…コンヨウに会ってからずっとだ。

……俺はハヤテ=ブラック。断じて黒崎謙(くろさきけん)じゃねぇ。

…でも、それでも今度はしくじらねぇ。あの角牛族との借りなんてもうどうでもいい。

有沢、詩歌さん。テメェらのガキは絶対に…俺が守ってやるからな。」

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