番外編「食料問題と家の本」①
番外編に登場するキャラに別作品、神隠しのあとにのキャラが登場しますが神隠しのあとにのネタバレはありません
4話くらいで完結予定です
遊佐が魔界から戻ってきてから一週間がたち、遊佐はキッチンにいた。
「……世愛。前にエリザベスが来たのはいつ?」
遊佐はキッチンにある戸棚の中を確認したあと、ソファーに座って拳銃の手入れをしている世愛へと問いかける。
「エリザベスさんが来たのは遊佐さんが戻ってくる直前ですから一週間前ですね!」
手を止め、少し考えたあと世愛は大きな声で答えた。
「そうか…どうしようか…」
その返事を聞いて世愛の元へときた遊佐は少し困ったような顔をしている。
「どうかしたんですか?」
そんな遊佐を見て世愛はエリザベスお手製のホルダーに拳銃をしまいながら立ち上がる。
「…定期的に食料を運んでくれとエリザベスに頼んでおいたんだがその食料がつきかけてる」
遊佐は頭を掻きながら答える。
「っ…すみません…私がペース配分を考えずに食材を使っちゃったから…」
世愛はしゅんっと落ち込み、俯いてしまう。
「いや。それはいいんだ。足りなくなったら貰いに行けばいいだけの事だから…ただその最中、エリザベスが来たらと考えていただけだ。世愛が気にすることじゃない」
遊佐は小さく首を横に振り、責めていないと口を開く。
「…?最中ってことは直ぐには帰ってこないってことですか?」
その返事を聞いて顔を上げた世愛は不思議そうな顔をして遊佐を見つめる。
「等価交換だからな。少し時間がかかるんだ…仕方がない。ちょっとエリザベスに伝えてくる」
遊佐は少し悩んだあと、エリザベスの元へと向かおうと目を閉じた。
「あ…それなら私がっ…」
世愛はそんな遊佐へと近寄ろうとした。だが積み重なってあった本に足が当たってしまい、崩してしまう。
「ご、ごめんなさい!」
世愛は慌てたように本を手に取り、折れたりしないかを確認しながら元に戻し始めた。
「……世愛」
遊佐はそんな世愛へと声をかけた。
「っ…はい!」
怒られると思った世愛は体をびくつかせたあと、恐る恐る遊佐へと目を向ける。
「積み重ねておいたのは俺なんだし、怒ってないからそんなに怯えんな。それより怪我はしていないか?」
遊佐は心配そうに世愛を見つめる。
「それなら大丈夫です!」
世愛は大きく何度も頷いた。
「そうか…なら悪いがエリザベスに食材は不要だと伝えてきて貰っても大丈夫か?本のことは俺がやっておくから」
怪我がないことに安易した遊佐は世愛へと指示を出した。
「おまかせください!」
世愛は胸をはって自信満々に返事をした。そしてその後直ぐに目を閉じて意識を集中させると世愛は眩い光と共にいなくなってしまう。
「……さて」
遊佐は世愛を見送ったあと、自分の影を大きく広げて床にあった本を全て飲み込んだ。そしてその後直ぐに影の大きさを元に戻した。
「戻りました!エリザベスさんの方は遊佐さんが戻ってきた時点で食材を届ける気はなかったそうなので大丈夫そうでした!…ってあれ?本が減ってる?」
眩い光と共に戻ってきた世愛は報告したあと、床にあった本が無くなっていることに気がつき、何処にいってしまったのだろうと辺りを見渡した。
「俺の影の中におさめた。食材を手に入れるついでに片付けようと思ってな」
その疑問に答えながら遊佐は自分の影を手でしめした。
「片付け?」
せは遊佐の影をまじまじと見つめた。
「ああ。古い城に住んでいる契約者がいてそいつが家の中に入らなかった本なんかの収納場所を提供してくれているんだ。俺が戻ってこなきゃ暇な時にエリザベスを連れて本を回収してくれって頼んどいたんだけどいい機会だから運ぼうと思って」
遊佐は影をしめす手を下ろしながら小さく頷いたあと、説明をした。
「…ってことで俺と一緒の場所に行きたいって願って貰ってもいいか?」
説明を聞いて納得していた世愛に対し、遊佐は指示を出した。
「それはもちろんです!」
世愛は大きく頷いて返事をしたあと、目を閉じた。それを見た遊佐も目を閉じた。すると世愛は眩い光に…遊佐は黒いモヤに包まれる形で姿を消したのだった。
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