五日目
四日目は明日の同じ時刻に投稿します。
本作は五日目から始まり、一日目に向かって遡る構造です。
一日目までお読みいただけましたら、今度はぜひ一日目から五日目に向かって読み返してみてください。
なあんにも見えない。
動けないし退屈だわ。
こんにちは ゾウさん♪
ながあいお鼻が とってもすてきね♪
ふふん ふんふ らんららんら ららららん♪
あれ?どんな歌だったっけ?
お母さんよく歌ってたなあ。学校から帰ると台所で夕ご飯の支度をしているの。お野菜を刻みながらお尻を振ってリズムを刻んでね。でも、それに一生懸命になりすぎて、火にかけたお鍋が吹きこぼれそうになって慌てるのよね。
とんととんと とんとんっ とんとととんとん とんとん♪
ぴちゃっ!
ぴちゃぴちゃちゃぷん ぴちゃちゃぷん
ああ、またあの水音が聞こえる。まるで洗面器を頭にかぶってシャワーを当てたみたいな頭から体に響いてくるような音。
あの通学路を思い出すなあ。雨の日は絶対に左ルートで帰るの。すこぉし遠回りになるんだけどね。
細い路地裏に雨樋から溢れた雨水が滝のように落ちてくるの。傘に当たるその音を聞くの、好きだったなあ。雨水ラッシュなんて名付けてね。お兄ちゃんがわたしの傘の上に自分の傘を差し入れて邪魔して来たこともあったけ。わたしその時すっごく怒った気がする。
びちゃっ びちゃちゃっ!
あめあめふれふれ かあさんが
じゃのめでおむかえうれしいな♪
ぴちぴちちゃぷちゃぷ らんらんらん♪
ぴちぴちちゃぷちゃ
ぴん ぽーんっ
「〈はあい、どちら様?〉」
「あ!あはっ、おかえり!ずうっと帰ってこないから心配してたのよ!?おとうさあん!——が帰って——」




