4.①父を救うために--〔薬草のありか〕
引き続き読んでいただき、ありがとうございます!水月です。
第二章は3部で成り立っています。
そのため、じっくり読み進めるもよし、
一気に読むのもよしと思います。
また、考察やじっくり読む形式の小説のため、物語は少しずつ動き始めます。
その為、ゆったり楽しんでいただけましたら嬉しいです。
それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!
治療師はテンマをまっすぐ見つめた。
「村の北側です」
「崖沿いに湧き水があります」
「その近くに、白い花が群生しています」
「夜でも見つけられるはずです」
「急いでください」
テンマは力強く頷いた。
「北の崖……湧き水……白い花」
要点だけを胸に刻み込み、踵を返す。
診療所の扉を押し開けると、夜風が頬を撫でた。
勢いよく外へ飛び出し、そのまま駆け出す。
夜の村は静かだった。
昼間まで聞こえていた子どもたちの笑い声も、人々の話し声もない。
足音だけが夜道へ響く。
坂道へ差しかかったところで、テンマは思わず振り返った。
闇の中。
診療所の窓から漏れる灯りだけが、小さく揺れている。
あそこに父さんがいる。
待っていてくれ。
……すぐ戻る。
テンマは前を向き、さらに速度を上げた。
北の崖。
湧き水。
白い花。
頭の中で何度も繰り返す。
傷じゃなかった。
治療師はそう言った。
村人は薬草を知っていた。
俺だけが知らなかった。
考えたいことはいくらでもある。
だが、今は違う。
考えるのは、父さんを助けてからだ。
息を切らしながら山道を駆ける。
村の灯りは少しずつ遠ざかり、代わりに木々の影が濃くなっていく。
夜の森は静かだった。
葉擦れの音。
流れる風。
自分の呼吸。
そのすべてが、妙にはっきり耳へ届く。
やがて木々が途切れた。
月明かりが崖肌を白く照らしている。
切り立った崖の足元では、細い湧き水が静かに流れ、そのせせらぎだけが夜の静寂へ溶け込んでいた。
風が吹く。
昼間の熱はもうどこにもなく、夜気は指先から少しずつ体温を奪っていく。
それでも。
月明かりに照らされた白い花だけは、どこか温もりを宿しているように揺れていた。
テンマは静かに息を整え、一歩踏み出した。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
AIを無料のものを使っている為、更新が遅くなりそうです。
できるだけ早く投稿しますのでお待ちください。
今回は、文字数が少ないので翌日も連投します。
次回は、28日に投稿します。
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