3.③父のもとへ--〔救うために〕
引き続き読んでいただき、ありがとうございます!水月です。
第二章は3部で成り立っています。
そのため、じっくり読み進めるもよし、
一気に読むのもよしと思います。
また、考察やじっくり読む形式の小説のため、物語は少しずつ動き始めます。
その為、ゆったり楽しんでいただけましたら嬉しいです。
それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!
村人は俯いたまま、小さく息を吐いた。
「……村じゃ、昔から知られてる薬草なんだ。」
「え……?」
思わず声が漏れる。
「知らないのか?」
村人は驚いたように顔を上げたが、すぐに何かを察したように視線を落とした。
「……いや。」
「そう、だよな……。」
自分に言い聞かせるような、小さな声だった。
少しの沈黙が流れる。
「お前たちには……教わる機会なんて、なかったもんな。」
テンマは何も答えられなかった。
その一言だけで十分だった。
知らなかったわけじゃない。
知ることができなかった。
その事実が、胸に重く落ちる。
村人は一度だけ拳を握りしめ、意を決したように治療師へ視線を向けた。
「先生。」
「あの薬草なら……まだ間に合いますか。」
治療師は村人を静かに見つめる。
わずかな沈黙。
「それは……まだ可能性はあります。」
その一言に、部屋の空気がわずかに動く。
「……ですが……」
「この診療所には備えがありません。」
「採りに行かなければなりません。」
テンマは思わず一歩踏み出した。
「どこですか。」
その問いに、治療師はテンマをまっすぐ見つめ返した。
「俺が行きます。」
母が顔を上げる。
「テンマ……。」
その声には、息子を引き止めたい思いが滲んでいた。
テンマは母を見つめ返す。
「……他に、行ける人がいるの?」
母は言葉を失う。
診療所にいる者たちも、誰一人として口を開けなかった。
その沈黙を破ったのは、村人だった。
「そこまで行く道なら、大丈夫だ。」
「魔物も滅多に出ない。」
自分に言い聞かせるような声だった。
母は村人へ視線を向ける。
その表情を見て、小さく息を吐いた。
責めることはしなかった。
その気持ちだけで十分だと分かっていた。
やがてテンマへ向き直る。
「……分かったわ。」
「でも、危ないと思ったら引き返して。」
「約束できる?」
テンマは静かに頷いた。
「約束する。」
治療師はそのやり取りを見届けると、小さく頷く。
「では、薬草の場所を説明します。」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
AIを無料のものを使っている為、更新が遅くなりそうです。
できるだけ早く投稿しますのでお待ちください。
次回は、27日に投稿します。
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