3.①父のもとへ--〔夜道〕
引き続き読んでいただき、ありがとうございます!水月です。
第二章は3部で成り立っています。
そのため、じっくり読み進めるもよし、
一気に読むのもよしと思います。
また、考察やじっくり読む形式の小説のため、物語は少しずつ動き始めます。
その為、ゆったり楽しんでいただけましたら嬉しいです。
それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!
テンマは階段を駆け下りた。
玄関では、母が扉を開けている。
そこには肩で息を切らした村人が立っていた。
「奥さん!」
「旦那さんが……!」
母は目を伏せ、小さく息を吐いた。
その姿に驚きはなかった。
「……どちらですか。」
静かな声だった。
「診療所です!」
母は小さく頷く。
「分かりました。」
「母さん。」
テンマが声を掛ける。
「僕も行く。」
母は一瞬だけテンマを見る。
「あなたは……」
何かを言いかける。
しかし、テンマの目を見つめると、その言葉を飲み込んだ。
「……ええ。行きましょう。」
三人は夜道を駆け出した。
夜の空気が頬を打つ。
昼間の温もりは消え、冷えた夜風が頬を撫でる。
静かな村に響くのは、駆ける足音だけだった。
息を切らしながら走る中、テンマは無意識に腰の革袋へ触れた。
中身は、ちゃんとある。
小さく息を吐くと、再び母の背中を追った。
母は前だけを見て走る。
その背中は、どこまでも真っ直ぐだった。
気丈な姿に見えた。
「……お願い。」
夜風に溶けるほど小さな声。
「どうか、無事でいて……。」
気丈に見えた母が、思わず零したのは小さな願いだった。
先を走る村人が、不意に口を開く。
「……すまない。」
息を切らしながら、それだけを絞り出す。
「あの人は……子どもを助けようとして……。」
「……。」
テンマは黙ったまま走る。
村人は何かを続けようと口を開く。
だが、その言葉は診療所の灯りが見えたことで途切れた。
「着きました!」
村人が前方を指差す。
診療所の灯りが、夜の闇の中に浮かんでいた。
母は足を緩めることなく、そのまま入口へ向かう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
AIを無料のものを使っている為、更新が遅くなりそうです。
できるだけ早く投稿しますのでお待ちください。
今回は、文字数が少ないので翌日も連投します。
次回は、23日に投稿します。
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