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七つの竜 ―刻を巡る者―  作者: 水月 遥
第1章 【冒険者試験】

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4.人跡未踏(じんせきみとう)の領域③--〔戦わない判断〕

第10話を開いていただき、ありがとうございます。水月です。

基本、2日に1シーンのペースで更新していく予定ですが、

ここのシーンはテンポ重視で文字数を少なくしています。

その為、1日1シーンで投稿していきます。

それでは、本日のシーンもどうぞお楽しみください!


 テンマはゆっくりと剣を構えた。


 家にあった図鑑では、弱い魔物だと書かれていた。

 それでも、魔物であることに変わりはない。

 ザイドを探さなければならない今、不意を突かれるわけにはいかなかった。


 小さな魔物は逃げる様子もなく、その場で身体をぷるりと揺らす。

 身体の奥では、褐色の淡い光がゆらりと揺れていた。

 思わず、その光と目が合ったような気がする。


 だが、よく見れば目らしきものはどこにもなかった。


「……」


 テンマは剣先をゆっくりと近づける。

 威嚇するように軽く押し出すと、小さな魔物は弾かれるように岩壁へ転がった。


 コツ。


 小さな音を立てて岩へ当たる。

 そのまま潰れることもなく、身体をぷるりと震わせると、何事もなかったように起き上がった。


「……?」


 図鑑では、身体は柔らかいと書かれていたはずだ。


 目の前の個体は違う。

 どこか芯があるような、不思議な弾力を感じた。


 それでも、襲ってくる様子はない。

 テンマは小さく息を吐いた。


(「何でも倒す」ことが全てじゃない)


 試験官の言葉が脳裏をよぎる。


(戦うべきか、戦わないべきか。その場で判断することも、冒険者には必要だ)


 もう一度、小さな魔物を見る。

 敵意は感じない。


(弱い魔物だ)

(襲ってくる様子もない)

(なら……今は放っておいても大丈夫だろう)


 ザイドを探す方が先だ。

 そう判断し、テンマは剣を下ろした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

応援メッセージはいつでも励みになります。

(※感想・ご要望に関するお願いは【活動報告へのリンク】をご確認ください)

尚、ストーリーに関する「批判はNG」「ネタバレ注意」でお願いしますね。


次回もお楽しみに!

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