第一章:第二話:王位継承者
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第一章:第二話:王位継承者
「ハァ〜しかし、本当に親父なんか見つけられんのか?う〜ん…」
―――そもそも名前と髪と瞳の色だけじゃん。分かってるのって、しかも髪に至っては、俺と同じ金髪…って、大陸に何万人いると思ってるんだ?瞳は、こちらから見て右が紅色で左が蒼色のオッド・アイか、まあこれは役に立つかな、オッド・アイなんて、珍しいし…
ヴィントが一人呟きながら物思いに沈みながら馬に乗って、森を歩くのには深い理由がある。というのも、やはり後継者問題に関係することなのだが…
本来ならばマールの息子であるザルツが次期国王であり、その身に刻まれたアザも《獅子》を象っており、国王になるには資質も充分であった。皆もザルツが国王になるのもだと思っていたし、またザルツ本人も国王の位を継ぐんだと思っていた…
しかし、“思っていた”というのも現在国王の位にもっとも近いのがヴィントなのである。それは、ザルツが十の、ヴィントが三の時に遡る。ヴィントが三度目の誕生日を迎えてから一週間が過ぎた頃、ヴィントの左胸にそのアザが現れた。
過去に一度だけ、初代に現れた史上もっとも強く気高きモノを象った《龍》だったのである。
だが、ここでも問題が起きたのである。
それは、ヴィントの父親である《ヴォルケ》がいないということである。
そこのところが元老院の中で問題になったのである。元々、どこの馬の骨とも知らない男の子供を孕んだ王女としてシエロとその息子であるヴィントに良い感情を持ってなかったのである。元老院のほとんどが《龍》のアザを持っているヴィントにどうしても国王位を継承するのに反対したのだ。貴族の血や家柄を第一と考える元老院に反対されるのも仕様が無いともいえる。
しかし、国王であるケーニヒは、ヴィントに国王位を継承させようとしているのだ
だが、ケーニヒも病で床に伏せて余命も幾許も無い。
そこでヴィントは、父親を探す旅に出ようと考え、森の中を歩いているのである。
ヴィントは、その身に《龍》を宿しているだけあり、《龍》のアザに比例するかのように、頭の良さも剣の腕前も凄く、さらには、魔法の腕前までもが一流なのである。
「キャャ〜」
ヴィントは考え事を止め、
「なんだ、この悲鳴はっ」
と、言葉を発すると悲鳴の聞こえてきた方向に馬を走らせることにした。
「森の奥の方からかっ」
馬を森の奥へ駆けさせるながら、一人呟く。
―――間に合えっ!そう遠くはないハズっ、何が起きてるかはわからないが、手遅れになる前に…
するとすぐに人の影が見えてきた。
―――よしっ!まだ間に合いそうだ!少女が一人に男が三人か…
ヴィントは、馬のスピードを緩めながら近づく。そして、男達に向かって叫んだ。
今回の由来はヴィント、ケーニヒ王、シエロとヴォルケの四人です。
まずヴィントから、彼の名前の由来は【風】です。次にケーニヒ王は【王】です。なんのひねりもありません。次は、シエロ。彼女の由来は【空】です。最後にヴォルケの【雲】です。
空と雲と風の親子です。ちなみにヴォルケの雲は、風に流れて…みたいに旅人っぽいかな?なんて作者は考えてい