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弱きより起つ  作者: 天野大地
第一話 旅の始まり
6/48

6― 受諾

 今晩《こんばん》は。日曜日、七夕《たなばた》です。

 今年は梅雨《つゆ》が遅かった様《よう》ですね。

 天気は悪いし七月だというのに

少々肌寒い気すらします。

「最初はコレを売ってぇ♪其《そ》したらお買い物してぇ♪で、帰るの♪」

 少女マサラは楽《たの》し気《げ》に言って聞かせる。相手は和装の人物源(げん)だ。

「君は初対面の相手にはもっと警戒しないといけないよ?」

 源はずっと眠そうな無表情なのだが、明らかに呆れた雰囲気が滲《にじ》み出ている。

「えー?其れってゲンの事ぉー?

 だってゲンはあたしを助けてくれたじゃない☆」

 源はふぅーっと深く息を吐《つ》いてから言う。

「世の中にはね、味方の振りをして近付いて来る輩《やから》も居るんだよ。

 味方の振り、と言うからには本当は敵、だからね?

 君は単純に信じ過ぎ。最初は疑って掛かる相手をこそ信頼するって遣り方も

有るし、ね」

「えー?何其れ?分かんないよ?」

「疑って掛かる者っていうのは世渡りをしてきている者って事だからね。

 悲しい現実だけど、只《ただ》何事も鵜呑《うの》みにするだけの人物は長生き出来ない。君、

相当危ういよ?」

「え?何?怖《こわ》い」

 又源はふぅーっと息を吐き、言う。

「正解はね、初対面の僕と話すなら、君とは全く無関係な飲食店にでも誘って、じっくり僕を観察して、味方と判断したら良いけど敵と判断したら

其の場でさよならっていうのが最善って事だよ」

 しかしマサラは只怯(おび)えている。

「分かった。君の用心棒を引き受けるよ。少なくとも此《こ》の町に居《い》る間は。

 君にはじっくりと聞かせなければいけない事が多そうだ」

「なっ何を?!」

 未《ま》だマサラは怯えているが。

「少なくとも自分の身を守れる様《よう》に成《な》るまでは、君に色々教えなくちゃいけない

らしい」

 マサラの顔が華《はな》やぐ。

「其れって、あたしがずっと弱々しかったらずっと一緒に暮らしてくれるって事?!」

 源の呆れる雰囲気が、滲み出るのを通り越して噴き出した。

「後ろ向きな事を嬉々(きき)として言わないでくれるかな?」

「お友達の為《ため》なら幾《いく》らでも情《なさ》けなく成《な》れるよ!」

「相手を引《ひ》き留《と》める為に退《たい》化《か》するのを友達の為とは言わない」

「ゲンのイケず!!」

「…」

 ふぅーっ…と源は又深く息を吐いて。

 其う此《こ》う話している内にマサラの目的地、持っている物、を売る場所とやらに

着いた様だ。悪童達《ギャングキッズ》に奪われそうだった品物である。

 源は言う。

「じゃあ僕は外で待っているから」

「一緒に来ないのっ?!」

 マサラは驚くが。

「其れ、何かは知らないけど、高額商品なんだよね?

 今日会ったばかりの僕が入り込むべきじゃあない。断然ね」

「ぅう……分かった………」

「親に見捨てられた子みたいな顔しないでくれるかな?」

 飽《あ》くまで淡々(たんたん)と源は言うが。

「あたし捨て子だよ?」

「む?」

 流石《さすが》にマサラの其の返しには微妙に驚きが表《あらわ》れる。

「あたし、孤児院に居た所をお師《し》さまに引き取られたんだよ?」

「悪い事を言ってしまったね。済まない」

「気にしてないから良いよー♪お師さまは優しいし、色々教えてくれるから♪」

「……其うか」

 マサラは気付かない様だが。源の返事には間《ま》が有った。

 前回から一月以上経ってしまったので

急いで投稿してみました。

 丁度《ちょうど》七夕でもありますし。

 お気付きで御座《ござ》いましょうか。

 節句《せっく》というものは

奇数月の奇数日に纏《まと》まっています。

 一月一日、三月三日、五月五日、七月七日、と。

 九月以降は無いですかね?残念です!

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