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弱きより起つ  作者: 天野大地
第一話 旅の始まり
16/48

16― 収拾

 今晩は。木曜日。

草木も眠る丑三つ時、で御座います。

 さて! 春ですね!

昼間半端に暖かく! 夜はそこそこ冷える!

 ……貶してる?(笑)

 生物には! 温度差が! 厳しいのさ!

 源《げん》は襲《おそ》ってきた黒《くろ》ずくめ達《たち》を縛《しば》り上《あ》げた。

が、文句言《もんくい》いた気《げ》な悪童達《ギャングキッズ》が未《ま》だ其《そ》のままであった。

 黒ずくめ達は動《うご》けなさそうではあるが殆《ほとん》どは意識《いしき》が有《あ》る。

頭《あたま》に攻撃《こうげき》したのは一人《ひとり》にだけ、だからだ。

 黒ずくめの縛り方《かた》は。 先《ま》ず両手《りょうて》を後《うし》ろ手《で》に縛り。

両足(あし)も縛り。 口《くち》には猿轡《さるぐつわ》を咬《か》ませた。

 勿論《もちろん》黒ずくめ達は目《め》の辺《あた》りだけ出《だ》して後《あと》は覆面《ふくめん》で隠《かく》していたが。

源は倒《たお》して縛り上げた黒ずくめ達の覆面を剥《は》いで口に布《ぬの》を咬ませたのだ。

 道路《どうろ》に出て倒した黒ずくめ二人《ふたり》は。

縛った紐《ひも》の部分《ぶぶん》を掴《つか》んで放《ほう》って運《はこ》び、一ヶ所(いっかしょ)に集《あつ》めたのだが。

 当然《とうぜん》一度《いちど》放って運べる距離《きょり》はたかが知《し》れていて。

一ヶ所に纏《まと》める迄《まで》何度《なんど》でも放って地面《じめん》に叩《たた》きつけて、を繰《く》り返《かえ》した。

 一応死《いちおうし》なない程度《ていど》には気《き》を付《つ》けたが。

其れ以上《いじょう》は考慮《こうりょ》しない、という体《てい》であった。

 其の間《あいだ》悪童達《ギャングキッズ》は行動《こうどう》を起《お》こしてはいないが。

源がずっと睨《にら》みを利《き》かせていたからだ。

 黒ずくめ達を一ヶ所に纏め。

悪童達《ギャングキッズ》は特《とく》に拘束《こうそく》していないが黒ずくめ達の側《そば》に集めて。

 源は口を開《ひら》く。

「君《きみ》達、何《なに》が言いたいのかな?」

 黒ずくめ達には猿轡を咬ませてあるので、当然の事《こと》言った相手《あいて》は悪童達《ギャングキッズ》だ。

「おまっお前《まえ》の所為《せい》だっっ!!」

「お前が邪魔《じゃま》したからっっ!!!」

「仲間《なかま》がっっ!! 仲間達がっっ………!! くっ……くぅっっっ!!!」

 悪童達《ギャングキッズ》は数《かず》が減《へ》っていたが。

其れでも四捨五入《ししゃごにゅう》すれば二十人《にじゅうにん》にはなる位《くらい》も居《い》ると。 何人《なんにん》かが叫《さけ》び出す。

 其れぞれ別個《べっこ》に、なので。 真面《まとも》には聞《き》いていられないが。

 源は唯々(ただただ)じっと立《た》っていた。

 悪童達が叫び止《や》んでからやっと。 源は再《ふたた》び口を開く。

「今回《こんかい》の件《けん》のあらましは……」

「お前の所為だっ! ……っ?!」

 野次《やじ》を飛《と》ばす悪童《ギャングキッド》に源が目を向《む》けると直《す》ぐに黙《だま》る。

 源が睨みを利かせると言っても。 目付《めつ》き自体《じたい》は瞼半開《まぶたはんびら》きで下向《したむ》き加減《かげん》で。

眉《まゆ》は全《まった》く力《ちから》が入《はい》っていない状態《じょうたい》で。

 瞳《ひとみ》が相手に向くだけなのだが。 其れも焦点《しょうてん》が合《あ》っているのかいないのか。

虚《うつ》ろな感《かん》じである。

 目に力は感じないが。 気味《きみ》が悪《わる》い、とは思《おも》われるかも知《し》れない。

「今回の件のあらましは」

 源は何事《なにごと》も無《な》かったかの様《よう》に再開《さいかい》する。

「以前《いぜん》、君達が強盗《ごうとう》して売《う》っ払《ぱら》ったとやらいう品《しな》に。

 悪《わる》い連中《れんちゅう》が目を付けたって事だね」

「誰《だれ》がだよっっ!!!」

 又《また》も野次が飛ぶが。

「僕《ぼく》が知る訳《わけ》無い」

 顔《かお》にも声《こえ》にも全く感情《かんじょう》は籠《こも》っていないものの。

言葉《ことば》ではばっさりと切《き》り捨《す》てる。

「誰だか悪い黒幕《くろまく》は。 刺客《しかく》を送《おく》り込《こ》み、

奪《うば》えるだけのものを奪って鏖《みなごろし》しようと。 してきた訳だね」

 内容《ないよう》がどうであろうと。 源は唯々淡々(たんたん)と言う。

「誰がだって言ってんだろっっ!!」

 悪童《ギャングキッド》の一人が源を問《と》い詰《つ》めるかの様に言うが。

最早《もはや》源は口を開きすらしない。

 激昂《げっこう》した悪童達《ギャングキッズ》が三人程(ほど)掛《か》かって行《い》ったが!

「「「がおっっ?!!」」」

 無造作《むぞうさ》に。 だが割《わり》と容赦《ようしゃ》なく源に倒される。

「頭《あたま》悪いのかな?

 其処《そこ》に転《ころ》がっている黒ずくめ達は誰が倒したと思っている?」

 普通《ふつう》、荒事《あらごと》が有れば声も平静《へいせい》ではいられないものだが。

源は本当《ほんとう》に何事も無かったかの様に淡々と言う。

「君達が今生《いまい》きているのは。 此《こ》の家《いえ》の者《もの》の目を引《ひ》き付ける為《ため》の囮《おとり》だね。

揃《そろ》った所《ところ》でみんな殺《ころ》される筈《はず》だったと。 愚《おろ》かだね」

「ぐっっ!!」

「くっくっっ……!!!」

 悪童達《ギャングキッズ》は悔《くや》しそうだがもう源には掛かって行けない。

「刺客を幾《いく》ら倒した所で黒幕に辿《たど》り着《つ》く事は無いけれど。 どうしたものかね」

 間違《まちが》いなく悪童達《ギャングキッズ》に聞かせる為ではあるだろうが。

源の口調《くちょう》はもう独《ひと》り言《ごと》だった。 悪童達《ギャングキッズ》の言葉《ことば》はもう受《う》け付けないという

意思《いし》表示《ひょうじ》であろう。

どれだけ察《さっ》しが良《よ》ければ通《つう》じるのか、という所だが。

「取《と》り敢《あ》えず其処《そこ》の黒ずくめ達は気《き》が済《す》むまで殴《なぐ》る蹴《け》るして構《かま》わないよ。

成《な》るべく死なない様に気を付けてくれたら有難《ありがた》いけど」

 悪童達《ギャングキッズ》はギョッとだけして動《うご》き出せない。

「安心《あんしん》しなよ。 死んではいないけど。

全員《ぜんいん》、適切《てきせつ》に治療《ちりょう》しても完治《かんち》には月単位《つきたんい》掛かる負傷《ふしょう》をしているから。

 殴る蹴るしたって反撃《はんげき》は無《な》いって事。

 下手《へた》に動けると自害《じがい》するだろうからね。 此ういう連中は」

 やはり悪童達《ギャングキッズ》はギョッとだけして動かない。

 が、本当に独り言の様に全く構わず源は続《つづ》ける。

「気が済むまで殴る蹴るしたら

町《まち》の警備《けいび》を呼《よ》んで黒ずくめ達を連行《れんこう》して貰《もら》ってくれるかな」

「何で俺《おれ》達が!!!」

 抵抗《ていこう》する悪童《ギャングキッド》がいても源が目を向けるとやはり黙ってしまう。

 其して。

 結局《けっきょく》源の要望通《ようぼうどお》りに成《な》った。

 悪童達《ギャングキッズ》は黒ずくめ達を殴る蹴るしたが。

骨《ほね》を折《お》る以上《いじょう》の事は出来《でき》なかった。

 以上、というのは其れを含《ふく》む、という事だから。

折ってはいなかったという事だ。

 誰かに暴力《ぼうりょく》を振《ふ》るうというのは。 気持《きも》ちの悪い感触《かんしょく》を味《あじ》わうものだ。

 其れが平気《へいき》だったり寧《むし》ろ味わいたいなんて者《もの》が居たら。 精神異常者《せいしんいじょうしゃ》だ。

 悪童達《ギャングキッズ》も。 其処までは精神を病《や》んでいなかった様だった。

 世間ではコロナウィルスが

猛威を振るっている模様です。

 防疫服? 病原体を防ぐ目的の服をも

突き抜けるだとか?

 某拳法の国の陰謀説なども有ったり?

まあ碌な国ではないですね。

 高校野球中止? ご愁傷様です。

 皆様お気を付け下さい。

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