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弱きより起つ  作者: 天野大地
第一話 旅の始まり
10/48

10― 報酬

 お早う御座います!木曜日早朝です!

 もう日は短いし寒い!です!

 未だ暦としては秋ですけどね!

 寒い!…ブルブル!

「さてゲン。訊いておかなければならないな」

 好々爺(こうこうや)然《ぜん》としたガードンが食事中の会話の何気《なにげ》ない流れとして始める。

「護衛《ごえい》を仕事としているとの事だが、報酬《ほうしゅう》としては

マサラに何を要求《ようきゅう》したのかな?」

 表面上《ひょうめんじょう》は柔《にこ》やかなガードンだが。目は笑っていなかった。

 しかし体が不自由なガードンのお世話として側《そば》に付いている少女マサラには

分かっていない様《よう》だし事実其(そ)の通《とお》りであろう。

 身体的特徴も服装も日本人な源《ゲン》は無表情《むひょうじょう》なまま淡々(たんたん)と答える。

「最低限で護衛期間中の食事と寝床《ねどこ》ですね。長期の外出中は妥協《だきょう》しますが

建物に滞在《たいざい》中は寝床は雨風《あめかぜ》を凌《しの》げるのは最低条件です。

 まあ、殆《ほとん》どの人は最低限を提示《ていじ》されれば其の分しか出さないのは

承知《しょうち》していますし、食事は。僕は人種的に少なくて済《す》むのでご心配無く」

 食事量の少なさは今現在窺(うかが)える事だった。

「其れは…破格的に安価《あんか》なのではないかね?」

 安価というものは安心出来る要素《ようそ》ではない。寧《むし》ろ疑うのが利口《りこう》であるし、

ガードンは見るからに疑っていた。

 が、源は反応を示さず淡々としたまま答える。

「僕が護衛するのは総《そう》じてお金に困っている人達ですから。

 僕はお金を持っている人達は対象《たいしょう》としません。

お金を持っている人は既《すで》に護衛を雇《やと》っているでしょう」

「成《な》る程《ほど》な」

 ガードンは納得《なっとく》の表情を示すが。

「言っておきますが。僕は其の辺りの護衛よりは戦えると自負《じふ》しています」

 源は更《さら》に言葉を続ける。

「むう。実力が有ると思うのならもっと稼《かせ》ごうとするものではないかね?」

 ガードンは当然湧(わ)く疑問を投げ掛ける。源は自《みずか》ら疑問点を晒《さら》しているとは

承知している筈《はず》だが。

「財力《ざいりょく》にしろ他の力にしろ。幅《はば》を利《き》かせるのは力の有る者。

弱者《じゃくしゃ》は虐《しいた》げられるもの。其うは思いませんか?」

「いやっはっはっはっは!!ご立派《りっぱ》ですな!本気で御座《ござ》いますかな?!」

 ガードンは。目は笑っていないままだが笑い声を上げる。のだが。

「何言ってるのか全然分かんないよお!!何なの?!」

 今まで黙《だま》って聞いていたマサラが膨《ふく》れ出した。

 するとガードンは本当に慈《いつく》しみの籠《こも》った眼差《まなざ》しに成り。

「ご免《めん》ご免!ゲンは立派な正義の味方だって話していたんだよ」

「其うだった?

 でも!あたしの友達はスゴい子なんだよね!!」

 マサラは話には付いて来られないながらも嬉《うれ》しく成った様《よう》だった。

「其うだとも!凄いお友達が出来たね」

 ガードンは蕩《とろ》ける様な眼差しでマサラを撫《な》でる。が。

源に目を向けると一変《いっぺん》して鋭《するど》く成る。

 其れでも源は無表情なままだが。

「マサラさんを悲しませないとだけは約束しますよ」

 源は飄々(ひょうひょう)と言って食事を続ける。

「しかしゲンは食事がゆっくりですな?」

 源の料理は明らかに一段少ないにも関わらず掛ける時間は二人と揃《そろ》っている。

 源は十六歳の男だと自己《じこ》申告《しんこく》しているのだが

話が合わない、と思う方が大半であろう位だ。

「ゆっくり良く噛《か》んで食べると満腹感が出て少ない量で済みます。

 戦場《せんじょう》では普通に知られた遣《や》り方《かた》だと思います」

「ほ…ほう…戦場ですか」

 源は淡々としているがガードンでさえも少々怯《ひる》んだ。

「せんじょう……」

 マサラは会話に入りたい様でオウム返しに言葉を零《こぼ》すが。

「マサラは知らなくて良いんだよ」

 源は無表情に淡々と言う。のにも関わらず。

 労《いたわ》りが籠っている。と。

 ガードンにさえも感じられた。

 買う予定の本ですが!

 お店のポイントが良い日に

合わせよう!と画策して居りまして!

 基本、本は安く成りませんからね!

 あ、バーゲンブックは知っていますけど!

 良いの中々無いもの!

 所で一日三食止めなさいだか

一般常識に喧嘩売っている本が

先月出た筈ですけど?

 じゃあ何食にしろと?

 何処に有るかなあ。

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