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異世界輝神 シャインカイザー  作者: 未白ひつじ
2章

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第四十話 トレイン


 ――話は少し遡り3日前。フォレムのとある小屋で一人の冒険者が報告を待っていた。男の名前はジック。3サードハンターで、『ジダニックの牙』というパーティーを仕切っている街でレニーに絡んだ男である。

  

-----


 全裸の小娘を|クソッたれの穴掘り野郎トレジャーハンター共にけしかけてから今日で3日。


 ニックによればまんまと山に向かったらしいからそろそろ頃合いか。


 大体にしてなんだあの機兵は。魔獣が機兵になるだあ?みたことねえよ。型からすれば帝国の機兵にちけえが、馬になるなんざ聞いた事がねえ。


 大方、お偉方のお眼鏡に叶わず廃棄されたのを運良く拾ったって事だろうが、あれでも俺らが手に入れようと思ったら白金貨2枚は下らねえ。塗り替えて俺の機兵にしてもいいし、糞商人貴族に売りつけてやってもいいだろう。


 穴掘り野郎共も最近見慣れねえ機兵に乗ってやがった。あれは恐らく発掘品だろうが、大昔の機兵がまともに動くわけはねえ。全裸の小娘と同士討ちできりゃ御の字、そうじゃなくてもかなり痛めつけてくれているはずだ。


 せいぜい俺達の役に立ってくれよな、穴掘り共よ。



 と、小屋の扉がノックされる。


 コンコン ココココン コン

「なんだ?果物なら間に合ってるぞ?」


「そうかい、じゃあ馬肉はどうだ?」


 鍵を開け扉を開けるとニックが立っていた。なんだか苦い顔をしているがまずは話を聞いてやろう。


「クソ野郎共はどうだ?2機か?1機か?最悪1機残ってりゃいいんだが、まさか…両方共大破しちまったか?」


 全裸と穴掘りに共倒れになってくれるのはありがてえが、機兵が手に入らなけりゃあまり意味がねえ。2機共大破の共倒れっつうのは考えにくいが無い話じゃあない……。


「それが…」


「なんだ?はっきり言え!最悪パーツが取れりゃいいんだからよ。どんくらいぶっ壊れてたんだ?」


「いや、それがな…奴ら…ピンピンしてやがる……」


「ああ?作戦が失敗したっつうのか?それとも小娘が日和って引き返しちまったか?」


「い…いや、奴ら仲良く一緒に遊んでやがった…機兵で…」


 一体何を言っているんだこいつは。報告によれば投げた石を棒で打ち返して遊んでいたり、山を作って棒を刺し、それを左右からそれぞれ掘ってみたり、とにかくよくわからない事をしていたということだが、いやいや、一体何を言ってるんだこいつは。


「全裸は確かに山に上がっていったんだよなあ?」

 

「ああ、間違いねえ。間もなくドンパチ始まったからよ、てっきりハマってくれたと思ったんだが…」


 死体の確認にいったつもりが元気な姿をみちまったとぼやいている。ぼやきてえのはこっちの方だ。


「な、なあジック…どうする?」


「どうもこうもねえよ!…いや、まてよ…?おい、ダック呼んでこい!おもしれえことを考えたぞ…」


 -----

 

 ――そして3日後、カイザー一行は狩りを終えて意気揚々とトレジャーハンターギルドに向かっていた。もう直ぐ日暮れだが、カイザーたちの足であればなんとか暗くなる前に到着する、その筈であった。



「いやあ、たくさん獲れましたねえ」


『これがチームワークの勝利ですよ、レニー』


「まさかストレイゴートを狩れるなんてなー。あいつら直ぐ逃げるからよ~、高いカネ出して買ってたんだぜ?穫れるもんなんだなー」


 チームワーク、か…。レニーとマシューの連携はまだ荒い。荒い故に今後も二人の成長を見守りより強くなった姿を見てみたい。贅沢を言えばアニメの二人のような熱い連携を…!


 しかしそれは俺のエゴだ。マシューはトレジャーハンター、レニーは冒険者ハンターだ。そしてマシューには仲間たちが居る。マシューはここに残るべきなのだ。


 自分で自分を納得させるようにしながら赤く染まりつつある山を急ぐ。……様子がおかしい。


「スミレ」


『はい、なにか妙…ですね?』


「まさかギルドに敵襲か?」


「えっ?ギルドが?おい!何か起きたのか?」


『いえ、ギルドはまだ無事…ですが…』


「煮え切らないな!何が起きてるんだ!スミレさん!」


 ギルドと言われ焦るマシューが叫ぶが、俺もなんと言って良いものか悩んでいた。


 と、レニーが口を開く。


「あ…これ…トレインだ…」


 あー、トレイン、それだ。というかこの世界でもそう呼ぶのか。レーダーを見れば中立を表す白点を敵対を表す赤点が数体追いかけるようにこちらへ向かっているのがわかる。


 点はギルドより上から下山するように向かってきていて、このままではギルドにぶつかりそうだ。


「やばいぞ!どっかのアホが魔獣引き連れてギルドに向かってるぞ!」


「くそ!急ぐぞ!オル!ロス!」

 

『急行~!』

『ダッシュだー!』


 オルトロスに続き俺たちも急ぐ。


「スミレ、詳細がわかったら報告してくれ!」


『わかりました、レニー後は頼みましたよ』


「了解!」


 レーダーに集中するため戦術アシストが一時的にオフになった。と、いっても自分でディスプレイの表示をくまなくチェックすればいいだけなのだが、操縦しながらだと大変だろうなあ。


 先行するマシューがギルドで敵機襲来を伝えている。


「マシュー!先に行くぞ!」


 マシューを追い越し、山を登っていく。と、スミレのサーチが終わったようだ。


『詳細でました。トレインしているのは機兵、ウルフェンタイプが3体、それを追うのがブレストウルフ6体と……』


「バステリオンだ…あのでっかいの、バステリオンだよ!」


 

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