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喜兵衛という男  作者: 常磐マーブル黒須


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異変

剣客の話はじめてみました!ばっさばっさ斬っていく予定。

暗闇の中を、音もなく行き過ぎていく影があった。

足音のみでなく、生物ならば先ず発している筈の息づかいや衣擦れすらも感じられぬ。

たとえ目でその姿を捉えられたところで、一瞬にして見失うであろう程に気配は薄く、あっという間に遙か遠くへ去って行く。


その影は扇ヶ谷から佐助方面へと山をくり抜くようにして造られた切通を抜け、やがて見えてきた、道祖神のある角を右へ入っていく。

深い青の葉をつけた山茶花の木と木の間にその身を滑らせ、宵闇で今は見えないが風雨に晒されてもはや白茶けている格子戸を音も立てずに開けると、その奥に横たわる闇にまるで溶け込むかのように消えていった。


明朝。

普段よりもにわかに騒がしい若宮大路沿いの蕎麦屋では、男が2人、かけそばを啜っていた。

「聞いたか?」

「ああ?何をだよ?」

「いや、今朝方、田辺の旦那が道端で斬り殺されたらしいぜ」

「はっ?田辺ってぇと、呉服屋のか?」

「ああ。朝から同心が何人も集まってたんだけどよ、おかみさんが泣き叫んでたから間違いねぇ」

「あの旦那が…信じられねえ…かなりの腕だったはずじゃねえか」

「そうなんだけどよ。どうも一太刀、それも何の反撃すらできないまま事切れてたようだぜ」

「そうかよ…」

黙々と残りの蕎麦を啜ると、どこか青白い顔の男ともう1人の男が連れ立って店を出て行った。

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