圧勝の結果・・・
「はぁ・・・」
「お疲れですねラルフ様。」
ため息をつく僕に紅茶を注ぎなからミリーがそう言った。
「だって、ねぇ・・・」
思わず僕は視線を先程からスルーしていた方へと向けると・・・そこには笑顔で忠犬のように待機するリカルドの姿が。
「えっと・・・リカルド。なんで今日もいるんだ?」
「勿論、ラルフ様のお側にいたいからです!」
気色悪いことこの上ない台詞を平然と言うリカルド・・・キャラが変わりすぎて僕も最初は別人かと思ったくらい・・・というかお前別人だろと言いたくなるが、残念ながら本人らしい。
そう・・・リカルド相手に圧勝してしまったことでリカルドはどうやら僕にかなり尊敬の念というか、憧れを抱いてしまったようで、ここ最近ずっと隙を見ては僕に会いにきているのだが・・・いい加減ちょっとうざったい。
「リカルド。君の気持ちは嬉しいけど、僕も勉強とか色々やることがあるだから・・・」
「はい!もちろんラルフ様の邪魔はしません!」
そういことじゃねぇよと内心かなり突っ込みを入れたくなったがグッと堪えて僕はミリーに助けを求めるように視線をむけた。するとミリーは少しため息をついてからリカルドに向けて言った。
「リカルド様。ラルフ様のお側にいたいならそれ相応の力がなくてはなりません。ラルフ様はこの国になくてはならないお方・・・そんな方のお側にいるにはあなたはまだ足りないことが多すぎます。ですので、最低でもあなたの父君に認められるくらいの実力をつけてから出直してください」
スパッとそう言うミリー。よしよし。これできっと諦めるだろうと思ってリカルドの方に視線を向けると・・・なんと奴は笑って平然と言った。
「わかりました!必ずラルフ様の側にいられるくらいに強くなります!」
そう言って部屋から去っていくリカルド・・・・諦めてないのか?
「まあ、とりあえずこれでしばらく邪魔は入らないか・・・ミリーありがとう」
「それはいいのですが・・・どうするんですかあれ」
「まあ、勝手にやってればいいよ」
ウザイことこの上ないが・・・本当に強くなってくれればそれならそれで使いようもある。
サラに危害を加えるような様子もないし・・・最悪害になるなら排除すればいいか。
そう判断して俺はリカルドのことをすっぱりと割りきってその日も勉学と剣術の訓練にあけくました。