1-0 ???
自分という存在を。
この世界に生きていた証明を。
これを読む誰かの記憶に残るように。
願わくば、人の心の支えになれますようにーーー。
・・・・・・・・・・・
ここはどこだろう?
気づいたらここにいた。
真っ白な世界。それが地平線の彼方まで続いている。
異常事態。そういって差し支えないだろう。
こんなこと生きているうちに遭遇するとは思えない。
そもそもこんな場所が現代にあるなんて聞いたことがない。
「悩んでても仕方ないよなぁ・・・・うん」
そう呟きながら、俺は歩き出す。
どうやら体に異常はないらしく、元気ピンピンであった。
とにかく今何が起こっているのか把握しなくては。
「いやぁ・・・・これはぁ・・・」
歩く、ひたすらに。
そう考えながらかれこれ2時間は歩いていると思う。
ここには腕時計もなければスマホもない。
時間間隔が狂いそうになるが感覚で予想をつける。
「これはもしかして永遠に続いてるパターンかな?それともループしてる感じか?」
試行錯誤してみるが自分にできることなんてたかが知れている。
スマホもそうだが、特に持ち物を所持しているわけでもなく八方塞がりだった。
そもそも何でこんなことになっているのだろう。
記憶を探る。
ここに至るまでの前の記憶を。
「・・・・だめだ、思い出せねえ・・・。」
ここにいるということは「どこかから来た」ということ。
来た道が分かればそこから帰れないかなと考えたが記憶がないとは。
「・・・あーもう無理。疲れた~。」
腰を下ろす。
肉体的にというより、精神的に参っていた。
景色が変わることなく、音も周りから聞こえない。
「誰かいないのか~!!」
そんな弱音たっぷりの声は虚空に消えていく。
どうやら俺は刺激がないと耐えられない人間らしい。
そんなことを考えながら寝そべる。
もう知らん。てかこれ夢だろ?
考えてみれば「コレ」が現実なわけがない。
疲労感を覚えてるのもきっと気のせいだ。
だから寝ることにした。
次に目を覚ました時はベットの上のはず。
あー馬鹿らし。
無駄な労力だった。
「・・・・・ん?」
寝そべって真上を見上げた。
そしたら見つけた。
でもあれは何だろう?
言葉で表現するならば。
真っ白な空に真っ黒な穴が開いていた。
「おお・・・おお??」
自分でも発言がおかしく感じる。
だがこんなものを見せられて一体なんて言えばいいんだ?
何より今まで自分の視界に入らなかったのもおかしい。
太陽のようにも見えなくはないが、時間経過で視界の端に映ってもおかしくない気がする。
一体なんだあれは?
「まあここが夢の世界なのは確定したなこりゃ。」
あんなもの現実にあってたまるか。
なおのこととっとと寝ようと考えた。
こんな夢見るなんてなぁ。
俺疲れたるんだな。きっと。
起きたら病院行こうかな。
そんなことを考えながら眠りについた。
「・・・・・・えっとお?」
目を覚ます。
周りを見回す。
目を覚ましたはずなのに。
あたり一面真っ白。さっきと何も変わってない。
「マジで言ってんのかこれ・・・・。」
最悪だ。どうやら夢ではないらしい。
パシン!!と、顔をはたいてみる。
・・・・うん、痛い。
さっきの疲労感も本物だったらしい。
「は、ははは・・・・やべえなこりゃあ・・・・」
詰んでいる。
俺はそう思った。
なにもない、誰もいない。
そしてこれは夢でもない。
もう笑うしかないな。
強いてあるのは空に空いた穴だけ。
それをもう一度見直す。
もう自分にできるのは天を仰ぐことだけだった。
「てか夢じゃないならあの黒い穴は一体・・・・あれ?」
気づいた。いや、気づけた。
もうできることないな~。と思いながら。
そして理解した。
黒い穴が大きくなっていた。
「さっきよりでかくなってね?」
まず間違いなく大きくなっている。
さっきまでは大きな気球ほどだったのに、
今ではその2、いや3倍以上でかい。
「なんで大きく?んーと?」
俺が起こした行動に何かヒントがあったりするか?
発した言葉の数?歩数?それとも時間経過か?寝たことか?
あるいは・・・
「すべて・・・か?」
正直自信はない。
所詮仮説だし他の要因がないと断言できないが・・・
「試してみるかね、こうなったら。」
どうせこのまま何もしなかったら、脱出なんて無理だろうし
この大きな穴がその脱出口であることに賭けるしかない。
というよりこんな場所にもう一秒たりとも居たくない。
頭がおかしくなりそうだ。
再度歩き始める。
それと同時に時間も数える。これは細かくなくていい。
大体前と同じ2時間ほど歩き、上を見上げる。
変化なし。
どうやら正解は、寝ることらしい。
「俺があの黒い穴を認識できる状況にいないことが条件ってことかな?」
まあとにかく試してみよう。
そう考え、俺は寝そべる。
万が一あれが俺の命を脅かす可能性も考えたが、
それならそれでここにずっといるよりマシな気がしたので受け入れようか。
「さて、命を懸けた運試しと行こうか」
自分にしては度胸が据わっていると考えたが、
多分余裕がなくなっているだけだろうなとすぐに理解する。
肉体的疲労と精神的疲労が重なって
寝に入るのに時間はいらなかった。
起きる。
特に体に異常はなく、今更だが固い地面で寝ている割に肉体に疲労はない。
まあ、完全回復には程遠いが。
そして
「ビンゴ」
どうやら考察はあっていたらしく、
空に空いた真っ黒な穴はさらに大きくなっていた。
多きさとしては先ほどより2倍は増えている。
「さて、この調子で大きくしていったらどうなるんだろう?」
眼前をほぼ覆う黒に対してノー天気なものだが
好奇心のほうが明らかに勝っていた。
心底帰りたいと考えているはずなのに。
「というより、この黒いのって空にあるように見えたけど実際はどれくらい離れてるんだろ?」
そんなことを考えながら何気なく手を伸ばした。
例えるなら、休日にふとスマホに手が伸びてしまうアレに感覚は近いか、
もしくは、昔懐かしい写真をつい指で触れてしまいたくなる感情に近いか。
そうしたら、
黒い穴が俺を飲み込んだ。
「へ?」
なんとも間抜けな声である。
唐突とはいえ他に言葉はなかったのか?
だがそんなことを言っている場合ではない。
「なんーーだこーーーれ!?」
体中に黒い「ナニカ」が張り付く、否、
染み込んできているーー!?
「くーーそーーー」
振り払おうともがく中で視界に映ったものを見てすぐ理解した。
後方、そこに「白い穴」があった。
俺は黒い穴を通ってきたんだと。
前にいた白い世界から脱出できたんだと。
だが、どうやら賭けには負けたらしい。
「ーーーーーーー」
意識が遠のく。その感覚を理解する。させられる。
黒い穴、進行形で俺に染み込んでくる「ナニカ」が何なのかはわからないが
体にいいものではないということだけは理解できる。
体が重くなり、四肢の末端から感覚が消えていくのを感じる。
例えるなら黒いインクでパレットにある他のインクに混ぜ合わせるようなもの。
自分という存在が塗りつぶされていく。
まあでも、無限に続くよりかはいいかと。
なぜか俺はそう思った。
そんなことを考えていた俺の意識は
俺の全部が黒に染まったのを境に
そのすべてを手放した。
皆様こんにちは。Jです。
前に書いていたものが急に消えてて困惑した方もいらっしゃったかもしれません。ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。
後々の展開や世界観の設定、キャラクター一人ひとりの設定などアイデアがたくさん生まれましていっそのこと最初から作り直したいと考え、改めて書かせていただく運びとなりました。
といっても導入の展開にさほど変化はなく、変化があるのはこれからになりますが。
投稿が遅れたのには前述述べた通りなのもありますが、
親知らずだったり、季節の変わり目の肌荒れだったり、
まあ諸々込みで体調悪化もあり休ませていただきました。
それも回復の兆候が見られてきましたので改めまして、
●{転生}(からっぽ転生)シリーズ。
始めさせていただきます!
どうぞよろしくお願いします!




